Blooming Days,Dec’06 | 倉嶋桃子|TOKYO854

Blooming Days - 日々是好日 -

Blooming Days,Dec’06

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みなさん、こんにちは。倉嶋桃子です。

「行李(こうり) ひと梱(こり)」「香炉 1合(ごう)」「蚊帳(かや) ひと張(は)り」「石灯籠(いしどうろう) 1基(き)」「菅笠(すげがさ) 1蓋(がい)」「箪笥(たんす) ひと棹(さお)」。
日本語には物に応じて、実に多様な数え方があります。

この「数を表す語に添えて、どんな種類のものの値かを示す接尾語」のことを助数詞といい、数えるものが何であるかによって、どの助数詞を使うかが決まっています。

日本語の助数詞は多様性に富んでおり、一説には約500種類もの数が存在すると言われています。
これら助数詞は、使用頻度に差が大きく、一つの語に対して二・三種類の助数詞を使う場合もありますが、一方で特に助数詞が決まっていない語もあります。

助数詞は、小さな動物であれば一匹二匹、人間よりも大きな動物なら一頭二頭、平面的なものは一枚二枚、長いものなら一本二本と、数える ものの形や性質を ある程度は反映してはいるものの、中身の入っている缶を一本二本と数えるのに対して、空缶なら一個二個、果物など固形のものであれば一個二個と、同じ形状でも中身によって助数詞がかわったりする なかなかやっかいなものでもあります。

今日は、そんな「ものの数え方、助数詞」についてお送り致します。

「Interest」in bloom-その1-

一般的にお魚は、一匹二匹と数えられることが多いですが、中には、イカやカニのように一杯二杯と数えられることがあります。

しかしこれは、生きている状態のお話で、ひとたび水揚げされると、もはや生き物としてではなく、商品や獲物として数えられるようになります。


お魚の数え方

釣りや漁の獲物としてのお魚は「尾(び)」で数えられることが多いですが、商品や食料としてのお魚には、この段階で形状や性質に応じてさまざまな数え方が出現します。

例えば、サンマやイワシ、タチウオといった細長い魚類は「本」、ヒラメやカレイなどの平面的な魚類は「枚」で数えます。

魚を調理する際にもさまざまな数え方が現れます。

例えば、アジなどの魚を開いて干物にすると「枚」、イワシなどの小さい魚を連ねて干した目刺しは「連(れん)」、鰹節は「本」で数えます。

また、ウナギを開いて串に刺すと「串」、蒲焼きは「枚」で数えます。

魚を上身(うわみ)・中骨・下身(したみ)にさばくことを「三枚下ろし」といいますが、特にマグロは加工段階に従って数え方が豊富です。

マグロを解体していくと、頭と背骨を落とした半身の、さらに半分は「1丁」「2丁」、ブロック状の肉片は「ひところ」「ふたころ」と数えます。

それを短冊状に切り分けると「ひとさく」「ふたさく」となり、お刺身や握り鮨になる魚の切り身は「切れ」で数えます。

イカやカニなども生きている時には、一匹二匹と数えますが、ひとたび商品となって市場に出ると「1杯」と数えられます。

イカを「1杯」と数える由来には諸説ありますが、三保 忠夫(みほ ただお)著『数え方の日本史』によると、中世のころ、飲物のいっぱい入った盃やコップなど、御器(ごき)や茶碗など、鮑貝や殻つきの貝などを数える言い方として盃(はい)が使われていたことから、タコ・イカ・フグなど、体形がふっくらとして軟らかい魚類は、貝類の「盃(はい)」が流用されたのではないかと推測しています。

カニについても同様で、飯田 朝子(いいだ あさこ)著「数え方の辞典」によれば、カニの甲羅が丸く容器のような形をしているので、しばしば「一杯二杯」と数えますとあります。

変わったところでは雲丹。

殻のままの食材としては「壺(つぼ)」、むかれると「腹」。さらにウニ1つを「百足(いっそく)」、2つだと「二百足(にそく)」とする数え方もあるようです。

お寿司屋さんのカウンターで、こんなウンチクを語った日には、一気にお勘定の額が跳ね上がりそうです。

参考資料

捕っても豊富!魚の数え方 | 目からウロコ!数え方のナゾ
https://blooming-days.njs.xyz/i00a

「いか」はなぜ1ぱい2はいと数えるのか、その由来。 | レファレンス協同データベース
https://blooming-days.njs.xyz/pmas

【みんなの知識 ちょっと便利帳】《ものの数え方・助数詞 検索》
https://blooming-days.njs.xyz/v7jm

「Interest」in bloom-その2-

箪笥を数える際に使われるのが、「棹」という助数詞。

一台、一本、どちらも間違いではありませんが、日本では箪笥は一棹、二棹と数えます。


箪笥は、なぜ棹なの?

箪笥の登場は江戸時代前期、寛文年間の大阪といわれ、正徳年間頃から普及したとされています。
それまで衣服は、竹製の行李(こうり)や木製の長持、櫃(ひつ)といった箱状の物に収納されてきました。

これらと比べた箪笥の特徴は何といっても引き出しを備えたことで、これにより、大量の衣類や持ち物を効率よく収納できるようになりました。

ただし、長持に比べ、多くの材料と高度な技術を必要とする箪笥は、まだまだ高価な品物で、貧しい庶民にまで箪笥が広まるのは、江戸時代末期からです。

当時の庶民は、長持の台座部分に木製の車輪が付けられた車長持(くるまながもち)を使うのが一般的で、火事の多い江戸では、家財道具を長持に入れて持ち出していました。

ところが、1657年に起きた江戸の大半を焼いたという明暦の大火で、皆が一斉に長持を引いて逃げようとしたため、路地がふさがれ、多くの人が逃げ遅れ、大惨事となりました。

これをきっかけに、江戸幕府は車の付いた長持の製造を禁止し、左右の棹通し(さおどおし)に棹を通して、担いで運べる箪笥が主流になりました。

その後、竿を通して運ぶ形の長持に変化し、箪笥が普及してからも、この構造は引き継がれ、現在の数え方に繋がったと言われています。

ちなみに、箪笥についている引き出しは、1本2本と数えます。

ただし、食器棚や机の引き出しは、一杯二杯と数えるようです。

日本語って難しいですね。

参考資料

箪笥 – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AE%AA%E7%AC%A5

【みんなの知識 ちょっと便利帳】《ものの数え方・助数詞 検索》
https://www.benricho.org/kazu/database/csv_search.cgi

「Interest」in bloom-その3-

細長く、かつ何本か連なったものを指す言葉である「筋」。

綱・縄・紐・糸・手拭など細長いものの助数詞として、帯や、槍のほか、川や虹や光、雲などもにも使われています。


大阪と神戸にある筋ってなに?

この「筋」。

東日本ではあまり耳馴染みはありませんが、大阪では、南北に走る道路には「筋(すじ)」、東西に走る道路には「通(とおり)」という名前が付けられています。

16世紀末、「本能寺の変」後に新たな中央政権の主宰者となった豊臣秀吉が、居城を大坂に据え、都市開発を進めていくなか、大阪城から平野町(ひらのまち)を経て四天王寺へ、さらにその先の堺へと至る南北に長い都市構造を指向し、その後、大阪城から上町(うえまち)・船場(せんば)地区へと東西方向に展開していったため、通は東西方向に設定され、また南北方向の道は筋と呼ばれるようになりました。

しかし、なにわ筋や御堂筋などは、道路の正式名称ではなく、戦後、大阪市建設局により、太閤時代以前からの慣習を継承して、幹線道路に愛称がつけられたようです。

四ツ橋筋(よつばしすじ)、心斎橋筋(しんさいばしすじ)、天神橋筋(てんじんばしすじ)、天満橋筋(てんまばしすじ)など、川の多い大阪の町人にとっては「通」よりも「橋」の方が馴染み深かったのかもしれません。

ところで、神戸の街路も南北に明石町(あかしまち)筋、播磨町(はりままち)筋、浪速町(なにわまち)筋、東西には仲町通(なかまちどおり)、前町通(まえまちどおり)、海岸通(かいがんどおり)と、大阪と似た構造になっています。
港町神戸は、明治時代になってから、外国人居留地区を中心として整備されましたが、当初はそのような名前はついておらず、後になってから、大阪にならって現在の名称がつけられたのではないかと考えられているようです。

都内でも、初めて行く場所だと同じような建物ばっかりで「自分がどこにいるか」分からないことがあります。
大阪のように、「筋は南北」「通は東西」となっていると、今、自分がどの方向に向かっているのか、方向音痴の私には大変にありがたいのですが。

参考資料

大阪市内の筋・通一覧 – Wikipedia
https://blooming-days.njs.xyz/alsr

大阪と神戸、なぜ南北の道を「筋」と呼ぶのか?|NIKKEI STYLE
https://blooming-days.njs.xyz/62rv

「Interest」in bloom-その4-

人間を基準に、小さい動物を一匹二匹、大きい動物を一頭二頭と数えますが、中にはうさぎを一羽二羽、蹄がある動物を一蹄二蹄と呼ぶこともあります。

このように動物の大きさによって用いる助数詞を区別するようになったのは、明治時代以降の話で、江戸時代以前では、動物はその大きさにかかわらず“匹”で数えるのが一般的だったようです。


一頭二頭と数える昆虫たち

昆虫も一般的には一匹二匹と数えられますが、蝶やアリなどは学術的に一頭二頭と数えるのが正しいようです。

この理由については諸説ありますが、飯田朝子(いいだあさこ)著「数え方の辞典」によれば、海外の動物園で、飼育されている動物を数える際に、飼育・展示していた蝶も種類に関係なく”head”で数えるようになったのが始まりで、その後、昆虫学者達が論文などでも同様に”head”で数えるようになり、それを20世紀初頭に日本語に直訳したものが現代の日本語に定着したとのこと。

その他にも、脚や胴体などがバラバラになったたくさんの昆虫の数を知る場合、頭の数を数えると正確な数が分かるからという説や、昆虫採集はもともと狩猟の一種として考えられていたために、獲物は動物と同じ数え方をするのではないか、といった説があります。

ちなみに、お蚕さんも、カイコが出す絹糸が人間にとって製糸業を支える重要なものだからという理由で一頭二頭と呼んでいたようです。

参考資料

蝶は頭とも数えるが、どうしてか知りたい。 | レファレンス協同データベース
https://blooming-days.njs.xyz/o8d1

チョウの数え方 | 目からウロコ!数え方のナゾ
https://blooming-days.njs.xyz/e5cc

『もののかぞえかた』> 生物に関する数え方 !!!
https://www.monokazoe.com/seibutsu.html

見るラジオ

今回は、フランスとイタリアの国境に接するスイス、コッティアン・アルプスのヴァライタ渓谷とマイラ渓谷を結ぶ峠、コッレ・ディ・サンペイレをドライブしながらラジオを聴く、そんな気分になれるような動画を作ってみました。

今回使用している動画は、下記のものを使用させていただいています。

動画について

Colle di Sampéyre – YouTube
@roadstertouren
https://www.youtube.com/

動画内で使用している楽曲は、次世代を担うミュージシャンたちのものです。気になる曲があったらリンク先サイトを覗いてみて下さい。

動画内音楽について

01
LOVU (feat. Yimgah)
by Shu
https://artlist.io/

02
Love Letter
by Sarah Kang
https://artlist.io/

03
Hot Shot Trucker
by Hey Judy
https://artlist.io/

04
Up Above the Water
by Ben Noble
https://artlist.io/

05
Never Felt Better
by Cryote
https://artlist.io/

メッセージをお寄せいただいた皆さん、ラジオをお聴き頂いた皆さん、本当にありがとうございました。

また、番組では皆様からのメッセージをお待ちしております。「試してみたよ」「作ってみたよ」といった番組で取り上げた内容のご感想、みなさんが感じる幸せのひとときなど、ぜひお聞かせくださいませ。

なお、番組の構成上、時間の都合でリクエスト曲にはお応えできない可能性がございます。ご容赦くださいませ。

それでは、また来週、月曜日15:00にお耳にかかりましょう。

お相手は、倉嶋桃子でした。

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