Blooming Days,Nov’29 | 倉嶋桃子|TOKYO854

Blooming Days - 日々是好日 -

Blooming Days,Nov’29

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みなさん、こんにちは。倉嶋桃子です。

先日、内閣府の食堂に「ヴィーガン三色海鮮丼」が登場したというニュースを目にしました。
一見すると、鮭とイカとイクラが丼の上にのっているように見えますが、使われている食材はすべて植物性のもの。
鮭は大豆ミート、イカはナタデココ、イクラは、こんにゃく粉と昆布の成分でできた「水たまご」を使っています。

これは、内閣府の食堂を運営するニッコクトラストが、元ビートルズのポール・マッカートニーさんらが提唱している、週に一日、肉を食べない日をもうける取り組み「ミートフリーマンデー」に賛同して行っているもので、現在では、気象庁や国会議員も利用する衆議院第二議員会館食堂などでヴィーガンメニューの選択肢が用意されています。

イギリスのミートフリーマンデーのサイトによると、週1日肉を食べない生活を1年間続けると、車で約700キロメートル移動する時に出す温室効果ガスとほぼ同量の削減ができるとのこと。
マンデーとうたってはいますが、月曜日にこだわらなくてもいいといいます。

最近、よく耳にするヴィーガンという言葉。
ベジタリアンと同じような意味なのかな?と思っていらっしゃる方も多いかと思いますが、ヴィーガンとは、人間による動物からの搾取に抗議し、動物性食品や動物由来の食品一切を食べないこと、および、そのような主義をもつ人のこと。

衣食他全ての目的に於て‐実践不可能ではない限り‐いかなる方法による動物からの搾取、及び動物への残酷な行為の排斥に努める哲学と生き方を実践している人のことをそう呼んでいます。

菜食主義を表すベジタリアンと似たような意味合いのように感じるかもしれませんが、一般的なベジタリアンが肉や魚を食べないのに加え、ヴィーガンは卵・乳製品・はちみつなど、動物由来の食品も口にはせず、また、毛皮および皮革、ウール、シルクなど動物製品も購入、使用しません。

ヴィーガンという単語は、1944年、イギリスにおいてヴィーガン協会の共同設立者であるドナルド・ワトソンによって作られた言葉ですが、完全菜食主義者・絶対菜食主義者と訳されることの多いこの言葉、食事だけに限らないヴィーガニズムの定義に正確に合致していないため、「菜食主義」という言葉の代わりに「脱搾取主義」「脱搾取主義者」という言葉を使うこともあります。

菜食主義自体は、古代インドや古代ギリシアまでさかのぼることができますが、肉食を避ける人々の呼び方として「ベジタリアン」という言葉が使われるようになったのは、19世紀に入ってから。

インターネットで出回っている情報として、1847年にイギリスベジタリアン協会が発足した際に、「ラテン語で『健全な』『新鮮な』『活力のある』という意味のvegetus(ベジェトゥス)が語源」と書かれているものを多く見ますが、『オックスフォード英語辞典』によると、それ以前からこの言葉は存在しており、英語のVegetableに人を表すtarianの語尾をつけたものが、実際の語源のようです。

今日は、最近話題になっている「ヴィーガン」をテーマにお送り致します。

参考資料

内閣府の食堂に「ヴィーガン三色海鮮丼」、材料は? 広がる「ミートフリー」の選択肢:朝日新聞GLOBE+
https://globe.asahi.com/article/14484041

「Interest」in bloom-その1-

菜食主義の歴史は古く、紀元前7世紀、生命への寛容を教えていたインダス文明から始まったと言われています。

紀元前6世紀、古代ギリシャの哲学者ピタゴラスが創設した教団では、オルペウス信仰のため食肉を嫌い、動物を殺すことは殺人に、食肉は食人に等しいと考えていました。

ピタゴラスが実際に菜食主義を主張したかは不明ですが、オウィディウスの『変身物語』15章では、ピタゴラスが厳格な菜食主義を主張しているため、この逸話を通して英語圏の人々にピタゴラスはよく知られ、19世紀にvegetarianism(ベジタリアニズム)という言葉が出来るまで、ベジタリアンのことを英語では「ピュタゴリアン」と呼んでいました。


ヴィーガニズムとは

一口に菜食主義と言っても、その分類は多様で、欧米の考え方では卵と牛乳を許容する一方で、日本のマクロビオティックでは、魚を許容することがあり、また、ビーガンのように動物を食料とすることを一切避け、動物性食品だけでなく動物性製品全般を避ける菜食主義もあります。

国際ベジタリアン連合では、乳製品と卵は食べる「オボ・ラクト・ベジタリアン」、乳製品は食べる「ラクト・ベジタリアン」、乳製品・卵、はちみつなどの動物性食品をいっさい食べず、食用以外の皮革製品・シルク・ウールの使用も避ける「ヴィーガン」、食事のみがビーガンである「ダイエタリー・ヴィーガン」、果物、トマト、ナッツ類など、木に実り植物の生命に関わらない食品のみを食べる「フルータリアン」と分類していました。

菜食主義は、宗教と密接に結びついており、不殺生戒(ふせっしょうかい)と言われるアヒンサー思想の発祥地であるインドでは、遅くとも2000年以上前から菜食を奨励する宗派が存在していました。
現在、インド発祥で菜食主義を奨励している宗教は、ヒンドゥー教とジャイナ教が代表的であり、国民の31%がベジタリアンと言われています。

また、キリスト教でも、もっとも厳しい節制をしていたカトリックでは、20世紀後半から大幅に緩和されたものの、かつては、肉、卵、乳製品が禁じられており、正教会(せいきょうかい)ではさらに魚肉、オリーブ油(ゆ)も禁じられていました。

宗教改革以前からあるキリスト教の教派には、金曜日などの特定の曜日・四旬節(しじゅんせつ)・待降節(たいこうせつ)にベジタリアン的な料理を作り、断食を守る伝統も残っています。

一方で、仏教では自らの手で殺生をすることは禁じられていますが、現存する最古の仏教の宗派である上座部(じょうざぶ)とチベット仏教では肉食は禁じられていません。

生き物の殺生を禁止する仏教において、肉食が禁止されていない事に矛盾があるように思われますが、これは当時の肉食に関する宗教論争と関係します。

仏教の起こった当時のインドにおいては、仏教だけでなくジャイナ教などの多くの宗派が不殺生(ふせっしょう)を標榜(ひょうぼう)していましたが、これに対して仏教は、間接殺を理論的に突き詰めることの限界を理由に、中道を掲げ、実際に生き物を殺す直接殺のみを明確に禁じ、間接殺においてはあくまでも貰い物の肉や、殺す所を見なかった肉、供養のために殺されたと聞かなかった肉、自分の為に殺された疑いの無い肉という「三種浄肉(さんしゅじょうにく)」であれば食しても問題はないとされました。

多くの宗派では、平安時代より明治時代に至るまで、国の法律である僧尼令(そうにりょう)や江戸幕府による寺院法度(じいんはっと)等による刑罰、寺院内での規約である清規(しんぎ)があったために、それら法規に従って肉食妻帯(にくじきさいたい)の禁制を守っていましたが、明治となり政府が国家神道政策を打ち出すと、僧尼令などの法規は廃止され、明治5年(1872年)「僧侶肉食妻帯畜髪等可為勝手事(僧侶の肉食(にくじき)・妻帯・蓄髪(ちくはつ)等勝手たるべし事)」と宣言しました。

これにより、僧侶の肉食妻帯(にくじきさいたい)に対する刑罰は無くなったものの、一定の厳しい修行期間、修行僧は精進料理のみを食して一切肉食(にくじき)することはなく、肉食戒(にくじきかい)を遵守するという宗派は今も多くあるようです。

宗教と密接に結びついている菜食主義ですが、一方で、レオナルド・ダ・ヴィンチやルソーなど、動物を殺すことや畜産動物の取り扱いを理由に菜食主義を貫く人々も多く存在しました。

また、後期ルネサンス以降、新大陸から入るジャガイモ、トマト、トウモロコシなどの産物が、皮膚疾患などの予防に劇的な効果をもたらしたため、「菜食主義こそ健康的な体をもたらす」という文脈で語られることもありました。
他にも、畜産の為の森林破壊などの環境保護や摂取カロリーの調整を目的に菜食主義になった人々もいます。

主要100ヶ国におけるベジタリアン等の人口は、欧米諸国を中心に毎年約1%近くの増加傾向にあり、2018年には約6.3億人に達しています。

特に先進国では、映画スターやモデル、作家など、人々に強い影響力がある人たちが先頭に立って、資源や環境の問題や、動物の権利を守る生き方を広めたことで、一般の人に広く賛同の輪が広がりました。

かつて「変わった人たち」と思われていた菜食主義は、今や世の中のメインストリームになりつつあるようです。

参考資料

ヴィーガニズム – Wikipedia
https://blooming-days.njs.xyz/8als

菜食主義 – Wikipedia
https://blooming-days.njs.xyz/h0nn

菜食主義の宗教史 – 歴ログ -世界史専門ブログ-
https://blooming-days.njs.xyz/fdw1

飲食事業者等におけるベジタリアン・ヴィーガン対応ガイド
https://blooming-days.njs.xyz/202q

「Interest」in bloom-その2-

映画スターやモデル、作家などだけではなく、最近では、パフォーマンス向上のためにビーガンになったスポーツ選手も数多くいます。

しかし、そんなヴィーガンたちに憧れ、単純な気持ちでヴィーガン生活に挑戦すると健康を害する可能性が非常に高いので注意が必要です。


ヴィーガン生活で注意すべきこと

一般的にベジタリアンは、肉や魚などを食べる非菜食主義者に比べて、病気にかかりにくいと言われています。
これは、菜食中心の食事では飽和脂肪酸やコレステロールの摂取が少なく、多くの食物繊維、ミネラル、マグネシウム、カリウム、ビタミンなどを摂取できるからと言われています。

栄養学の視点から見ると、菜食主義のメリットとして、内臓脂肪の減少、疲労感の減少、心臓病発祥リスクの低下、動脈硬化や高血圧の予防、便秘の改善、大腸がんのリスク低下が挙げられますが、一方では、タンパク質・必須アミノ酸不足による筋力や集中力の低下、亜鉛不足による免疫力の低下、ビタミンB12不足による貧血、ビタミンD不足による骨粗しょう症のリスク上昇などのデメリットも存在します。

ただ単に動物性たんぱく質を一切摂らないだけでは、かなりの確率で体調を崩します。
正しく実践しないと、栄養失調や頭痛、無月経、脱毛、貧血などを起こすので、ある程度の栄養学の知識は必要です。

多くのヴィーガン実践者が共通して言うには、ヴィーガン生活を実践する上では、たんぱく質、カルシウム、鉄分、亜鉛、ビタミンB12の摂取量に気を付けなければいけないということ。

これらの栄養素は、本来肉や魚、卵、乳製品に多く含まれ、特にビタミンB12は野菜からの摂取も難しいため注意が必要です。

特に、授乳中の母親のビタミンB12欠乏症は、子供に深刻な欠乏症や神経障害をもたらすとされており、必須脂肪酸のω-3脂肪酸、α-リノレン酸およびそれらの誘導体についても、これらの脂肪酸から変換されるドコサヘキサエン酸(DHA)が視神経や中枢神経系の発達に必須と言われていますが、ほとんどのヴィーガン食では含有量が非常に低いため、妊娠・授乳中のヴィーガンの母親は摂取を補う必要があるとする研究もあります。

また、母親がヴィーガンの場合、生まれてくる子供の出生時の体重が軽くなる傾向があり、親に不適切なヴィーガン食を与えられた乳幼児が、極度の栄養失調に陥り、脊柱奇形や骨折が発生したり、あるいは死に至った事例が何件か報道されています。

ヴィーガンになった人は、過度な肉食や加工食品の摂取など肥満の原因のほとんどを食生活から切り落としたために、急速な体重減少が起こると言います。

この急速な体重減少は、体に非常に大きなストレスを与えるため、ホルモンのバランスに影響を与える可能性が指摘されています。

また、いきなり極端な菜食主義に移行すると、たんぱく質摂取量の急激な低下につながり、身体のたんぱく質レベルが低くなったことで、より重要な身体機能の維持のためにエネルギーを節約するため、育毛が止まり、脱毛の原因になるようです。

急激な食生活の変化は、体が慣れるのに追い付かず、栄養不足につながる可能性もあります。

集中力の低下、頭痛、食欲不振、貧血など典型的鉄不足の症状が起こったら、一度ヴィーガン生活をお休みするなど臨機応変に対応することがよいようです。

参考資料

ベジタリアンの『メリット&デメリット』を栄養学視点から紹介 | JAMS.TV オーストラリア生活情報ウェブサイト
https://www.jams.tv/beauty/114172

ベジタリアンの『メリット&デメリット』を栄養学視点から紹介 | JAMS.TV オーストラリア生活情報ウェブサイト2ヶ月のヴィーガン生活が教えてくれたこと。私が歩む「0か100かではない選択肢」 | ハフポスト
https://blooming-days.njs.xyz/v7tl

Vegan(ビーガン)生活に挑戦する上で注意すべきこととは?陥りやすい失敗例&対処法 | THE RYUGAKU [ザ・留学]
https://theryugaku.jp/3202/

「Interest」in bloom-その3-

今日ご紹介しているベジタリアンや、ヴィーガンの他にも、果物、トマト、ナッツ類など、木に実り植物の生命に関わらない食品のみを食べる「フルータリアン」や、水やスープ、ジュースなどの液体や液状の食品を摂取する生活を過ごす「リキッダリアン」、水を摂取するだけで生活している「ブリザリアン」、など、さまざまな食事摂取の形態をもつ人々がいます。

そんな中、陽に当たり呼吸するだけで生きている気食主義者「ブレサリアン」という人々がいます。


陽に当たり呼吸するだけで生きている「ブレサリアン」という人々

これらの人々は、食物からのエネルギー供給を必要とせず、呼吸(ブレス)だけで生きているので、ブレサリアンと呼ばれています。
食べ物も飲み物も何も口にしなくても生きていける、嘘のようなお話ですが、そんな人達が存在します。

70年前から食べ物も飲み物も摂取していないとされる当時83歳のインド人、プララド・ジャニさんというヨガの聖者もブレサリアンの一人。

ジャニさんは、子どもの頃に女神の祝福を受け、以来栄養を取らなくても生きられるようになったと語っていましたが、これを聞いた少数の人々がジャニさんの信者となった一方で、医療の専門家らは疑いを向けていました。

ジャニさんは2003年、AFPの取材に対し「口蓋の穴から得た不老長寿の霊薬により、食べ物や水がなくても暮らしていけるようになった」と話していましたが、今から11年前の2010年4月、国防省傘下のインド国防研究開発機構が15日間にわたって医師30名が24時間体制で観察し続けるという実験が行われましたが、その間、ジャニさんは食べることも飲むことも、トイレに行くこともなく、液体と接触したのは、定期的に行ったうがいと入浴の際だけだったといいます。

神経科医は当時、記者団に対して「ジャニさんがどのように生き延びているのか、いまだに分からない。これはどういった現象なのか、依然謎だ」と語っていました。

ジャニさんは、昨年5月、老衰のため、90歳でなくなりました。

霞を食べて生きるという仙人のように不老長寿とはいかなかったようです。

参考資料

80年も飲まず食わず? インドのヨガ行者が死去、90歳か 写真2枚 国際ニュース:AFPBB News
https://www.afpbb.com/articles/-/3285047

見るラジオ

今回は、帆船型遊覧船「エスペランサ」に乗って英虞湾を遊覧しながらラジオを聴く、そんな気分になれるような動画を作ってみました。

今回使用している動画は、下記のものを使用させていただいています。

動画について

[前面展望]志摩マリンレジャー 賢島エスパーニャクルーズ Esperanza 英虞湾↔真珠工場
@gothloli miku
https://www.youtube.com/

動画内で使用している楽曲は、次世代を担うミュージシャンたちのものです。気になる曲があったらリンク先サイトを覗いてみて下さい。

動画内音楽について

01
Taste of Home
by Claire Kelly
https://artlist.io/

02
Terminal
by Ben Noble
https://artlist.io/

03
Sugar Coating
by Fiona Harte
https://artlist.io/

04
Crossing Lines
by ATELLER
https://artlist.io/

メッセージをお寄せいただいた皆さん、ラジオをお聴き頂いた皆さん、本当にありがとうございました。

また、番組では皆様からのメッセージをお待ちしております。「試してみたよ」「作ってみたよ」といった番組で取り上げた内容のご感想、みなさんが感じる幸せのひとときなど、ぜひお聞かせくださいませ。

なお、番組の構成上、時間の都合でリクエスト曲にはお応えできない可能性がございます。ご容赦くださいませ。

それでは、また来週、月曜日15:00にお耳にかかりましょう。

お相手は、倉嶋桃子でした。

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