Blooming Days,Jul’19 | 倉嶋桃子|TOKYO854

Blooming Days - 日々是好日 -

Blooming Days,Jul’19

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2021年7月19日(月)

先週の土曜日、7/17からTOKYO854の聴取エリアが広がり、東久留米の他、清瀬や小平、またその近隣でもお聴きいただける地域も増え、この番組を初めて聞くという方もいらっしゃるかもしれません。
東久留米市内の電波の届きにくかった難聴区域の問題も解消され、今までお聴きくださっていた方には、ノイズもなくなりクリアな音質でお聴きいただいている事かと思います。

この番組は、キュレーションコミュニケーター倉嶋桃子が、知らなくても困らないけど知っているとちょっとうれしいそんな話題を素敵な音楽とともにお送りする番組です。

これまで、東久留米市の人口約12万人から、3市の合計約39万人に向けた放送局に変わりました。

聴取環境を整えるだけなく、よりよい番組作りを目指し、さらにインターネットとの連携により、新しいラジオの楽しみ方をご提案できたらと思っています。

一人でも多くの方に楽しんでいただけるよう日々試行錯誤しています。

引き続き、TOKYO854を、そしてこの番組をよろしくご贔屓のほどお願い申し上げます。

さて、今日の放送は、今から21年前の7/19に、二千円札が発行されたということで、「お金、紙幣」をテーマにお送りいたします。

それでは、本日の放送内容です。

「Interest」in bloom-その1-

二千円紙幣は、現在流通している日本銀行券の1つ。

世界の紙幣カタログなどには記念紙幣として扱われている場合もありますが、法律上は、通常の日本銀行券であり、記念紙幣ではありません。


お金にまつわるお話 -その1-

第26回主要国 首脳会議(沖縄サミット)と西暦2000年(平成12年)ミレニアムをきっかけとして、1999年(平成11年)に当時の小渕恵三 内閣総理大臣の発案で、2000年(平成12年)7月19日に森内閣の元で発行されました。

過去には、明治から終戦直後にかけて、2銭、20銭(紙幣・銀貨)、2円(紙幣・金貨)、20円(紙幣・金貨)、200円の硬貨や紙幣が発行されたましたが、これらは現在では全て通用停止になっているので、この二千円紙幣は「1」と「5」以外の単位の日本の硬貨や紙幣のうち、現在有効な唯一のものとなります。

二千円札は、新円切替後 初の「1」と「5」以外の単位の通貨であること、公表された表面のデザインが人物でないこと、さらにそれまでになかった最新の偽造防止技術が多数採用されていることなどにより、発行前から注目を浴びました。

発行後には、新券の珍しさもあって銀行の窓口に両替依頼が殺到したものの、一時的な流行を過ぎると、流通・使用は低調になり、2000年(平成12年)秋以降には、異例ながら日本銀行本支店の窓口で二千円紙幣への両替を受け付け、当時の大蔵省や日本銀行の職員に現金で給与を支給する際には二千円紙幣を含めるなど、二千円紙幣の流通量を増やすための努力も始められました。

しかし、流通量は伸びず、2010年(平成22年)からは、大量の二千円紙幣が日本銀行の金庫に保管されたままの状態になっています。

2004年(平成16年)に他の紙幣が刷新されるのを機に普及することも期待されましたが、それでも浸透するに至らず、流通のピークであった2004年(平成16年)頃には、流通枚数で五千円紙幣を上回ったものの、2007年(平成19年)の二千円紙幣 流通枚数は約1億5千万枚で、既に発行されていない五百円紙幣(2億2千万枚)よりも少ないという由々しき事態になりました。

なお、二千円紙幣にゆかりの深い沖縄県では、盛んに普及キャンペーンが行われたこと、本土復帰以前は20ドル札を含む米ドル紙幣が法定通貨であったこともあり、流通量は上昇傾向にあり、他都道府県と比較して多く、2019年(令和元年)10月首里城火災も相俟ってか、県内での流通枚数は増えているようです。

また、二千円紙幣には首里城守礼門が印刷されていますが、首里城が2019年(令和元年)の火災で正殿等の多くの建物が全焼したのを受け、2020年(令和2年)2月、沖縄県銀行協会は、琉球銀行を始めとした沖縄県を拠点とする6銀行で、二千円紙幣の流通額に応じてその0.1%を首里城再建に当てる寄付金制度を始めました。

2019年(平成31年)4月、2024年(令和6年)発行予定の一万円・五千円・千円の新紙幣が発表されましたが、二千円紙幣は流通枚数が少ないとの理由で刷新の対象にはなりませんでした。

財務省理財局によると、「いま、日銀に備蓄が貯まっている状況です。他の紙幣は毎年作り続けているのに対して、2千円札は現在、新しく印刷していません。新しいデザインにすると、備蓄のお金が無駄になってしまうため、刷新は見送ることになりました」とのこと。

「Interest」in bloom-その2-

今、私達が当たり前に使っている紙幣ですが、金銭的価値をもって流通し始めたのは江戸時代から。

それまで、お金として用いられていた「硬貨」は、鋳造技術さえあれば同じ形状で、いくらでも量産できるほか、ヒモに通してどこにでも持ち運びできる利便性などから、広く一般に流通していました。

しかし、江戸時代に入って人口が急増すると、硬貨を作るための金属が不足するようになり、それに代わるものとして、海外で流通していた紙幣が使われるようになります。


お金にまつわるお話 -その2-

日本最初の紙幣は、1623年(元和:げんな 9年)に伊勢国(いせのくに)山田の商人の間で使われていた「山田羽書(やまだはがき)」だといわれています。
当初は銀貨による釣銭の代わりとして使用され、しだいに通貨として広まり、明治時代まで約250年間に渡り山田地方周辺で使用されました。

その後、1661年頃に福井藩が領土内だけで使用できる「藩札(はんさつ)」を発行し、財政難に苦しんでいた日本中の藩主にとって、鉱物を用いずに経済活動を促進できる紙幣は、大変に魅力的で、日本全国244の藩で藩札が発行されたといわれています。

明治の時代に入り1868年には、日本全国で通用する政府紙幣「太政官札(だじょうかんさつ)」が発行されましたが、簡単に偽造できるものだったため、日本経済に大きな混乱を招くこととなり、そのため、日本政府は印刷技術で世界有数の技術大国だったドイツやアメリカにお札の発行を依頼しました。

1881年に、初めて「肖像入りの紙幣」が登場し、以降、板垣退助(いたがき たいすけ)、菅原道真(すがわら みちざね)、二宮尊徳(にのみや そんとく)など、現在に至るまで合計17人の肖像画がお札に用いられています。

その中で、登場回数が一番多いのは聖徳太子。
過去に7種類のお札に登場しています。

現在、日本はもとより世界で流通している紙幣の70%に肖像画が起用されていますが、これは、人間の持つ「顔を認識する能力に優れている」という特性を活かし、偽造された紙幣の小さな変化にも敏感に気づくことができるよう、肖像画が多く起用されるようになったといわれています。

18世紀後半にフランスで起こった「フランス革命」では、当時のフランス国王だったルイ16世が、家族と共に王妃マリ・アントワネットの母国へ亡命しようとしますが、国境近くのヴァレンヌという土地で発見され、パリへ連れ戻されてしまいました。

ルイ16世の肖像画が使われていたお札のせいで、国王の顔は国の隅々にまで知れ渡っていたため、変装していたにもかかわらず逃亡中のルイ16世が発見されたのは、このお札があったからだといわれています。

「Interest」in bloom-その3-

1868年に日本全国で通用する政府紙幣「太政官札(だじょうかんさつ)」が発行されてから、昭和、平成を経た現在でも偽札事件は跡を絶ちません。

有名な偽札事件として知られているのはチ-5号事件。


お金にまつわるお話 -その3-

終戦後の1951年、山梨の銀行と東京の八百屋で偽造千円札が発見され、これを皮切りに長野、大阪、愛知で偽造千円札が発見され、山梨県警の聞き込み捜査から有力情報が入り、そこから総勢24名が芋づる式に逮捕され、村ぐるみでの偽札造りを行っていたという事件です。

首謀者は「葡萄酒ブローカー」をしていた元海軍主計中尉。
共犯には元陸軍中佐、植木職人、元小学校校長、写真製版業、消防団長、などがいました。

メンバーの1人が静岡県の業者から葡萄酒のラベルを印刷すると称して、オフセット印刷機を購入。
インクや用紙も静岡県内で別のメンバーが調達し、印刷機は、農家の土間に地下室「コウジ製造室」に据え、外部からは分からないように隠蔽した環境で、偽札作りが進められていました。

印刷に必要な資金は、海底からスズを引き上げるなどの偽の投資話を通じて280万円を集め、1950年12月頃から写真製版を行い、12日の間に偽札1200万円相当を印刷しました。
同じ年、3人が、他のメンバーの反対を押し切って名古屋市、松本市、東京都内で使用して事件が発覚しました。

この事件は、2009年の日本映画「ニセ札」のモデルにもなりました。

当然の事ですが、偽物のお金は、作ることも、使うことも犯罪になります。
また、海外で作られた偽物のお金を国内に持ち込むことも犯罪になります。
更に、見た目がお金に似せたようなものを作ったり、販売したりしても犯罪になります。

お釣りなどで受け取ったお金の中に不審な紙幣があった場合には、日本銀行本支店に持ち込むと、真贋(しんがん)を無料で鑑定してくれますが、万が一贋札(がんさつ)であっても真券との交換はせず、損失補償もありません。
警察署に持ち込んだ場合、所有権を放棄する旨の念書を記入したうえで、科警研に送致のうえ真贋鑑定を行い、真券であった場合は所有者の手許に戻し、贋札であった場合は念書をもとに所有権を警視庁および各道府県警の刑事課に移管し、証拠物品として保管します。

以前は、偽札を警察署に持ち込むと「偽造通貨 発見届け出者に対する協力謝金制度」に基づき、持ち込んだ偽札と同額の謝礼金が支払われていましたが、2018年現在、この制度は予算化されておらず、運用されていません。

少額の買い物で、多額の釣銭の交付を受ける目的で行使される場合が多く、暗がりでの現金の授受が行われるタクシーの車内及び比較的少額な買い物をしても不自然ではないコンビニエンスストア、たばこ屋等の商店で使われるケースが多いとの事ですが、過去には、本物との比較で、素人目には判別が不可能とまで言われるほどに精巧な作りで「日本の偽札史上、最高の芸術品」とまで言われたチ-37号事件の例もありますので、こればっかりは運なのかもしれません。

「Interest」in bloom-その4-

終戦まで川崎市にあった旧日本陸軍の「登戸研究所」では、さまざまな秘密兵器の開発や製造が行われていました。

研究・開発されていたとされる兵器として、原子爆弾、生物兵器、化学兵器、特攻兵器、風船爆弾、謀略兵器、怪力光線、殺人光線などがありますが、なかでも秘密にされてきたのが、偽札の製造です。


お金にまつわるお話 -その4-

中国の経済を乱すため、当時として40億円もの中国向けの偽札がこの研究所で作られ、30億円もの偽札が中国で使用されました。

偽造紙幣を使用し、敵国の国民生活を混乱させることを目的とした戦時謀略は、外国でも行われていました。
中でも、第二次世界大戦中におけるナチス・ドイツの親衛隊による、イギリスに対する経済謀略
「ベルンハルト工作」は、精巧なイギリスの偽札を製造し、流通させることで、イギリス民が自国の紙幣に対する信用を喪失し、イギリスの威信までをも失墜させるという目的で進められました。

このような戦時における偽造紙幣による経済謀略は、期待される効果や規模が大きいため、国家機関の関与が必須であり、偽造紙幣の開発・製造工程も極秘に行われなければなりませんでした。

登戸研究所で行われていた偽札の製造においては、当時敵対していた中国の蒋介石政府に対して、政府が発行する法幣の信用の失墜、インフレーションが引き起こす経済 攪乱による中国の抗戦力の破壊を目的としていました。

この作戦では、敵国の経済を攪乱するだけの、大量な偽札を流通させる必要があったため、専門家でも真贋の見分けがつかないほど精巧な「偽札」をつくることが登戸研究所には要求されました。

法幣の偽造には、印刷前の抄紙の工程で、用紙に「漉かし」を入たり、紙の表面に絹繊維や紙片などを混ぜ込むことが必要でしたが、これらは偽造防止のための加工であるため、登戸研究所ではその再現に苦心しました。
また「漉かし」については、東京芸術学校(現・東京芸大)から彫刻師を雇い、「漉かし」の原型製作のための彫刻用具も用意していました。

やがて終戦を迎えると、研究所の上層部の指示による組織的な隠蔽工作が始まりました。

玉音放送を聞いた後、民間の製紙工場に紙を運び出し、偽札をボイラーで燃やす作業が夜を徹して行われたそうです。

水が生命線ともいえる製紙業が盛んな地域には、必ず豊富な水源があります。
登戸研究所があったこの地域も例にもれず、付近には、量が豊富で優れた水質であった多摩川が流れています。
また原料となる良質な楮(こうぞ)が自生していたため、江戸時代末期から製紙業は、主産業である農業の農閑期を支える産業として発展しました。

参考資料

二千円紙幣 – Wikipedia
https://blooming-days.njs.xyz/80bh

紙幣 – Wikipedia
https://blooming-days.njs.xyz/msw0

日本紙幣の歴史-Manegyニュース | Manegy【マネジー】
https://www.manegy.com/news/detail/1250

山田羽書(やまだはがき) – 伊勢河崎商人館 –
http://www.isekawasaki.jp/hagaki/

お札に肖像画が使われているのはなぜ?(1) | お金の歴史雑学コラム
https://manabow.com/zatsugaku/column16/

偽札 – Wikipedia
https://blooming-days.njs.xyz/i8ll

チ-5号事件 – Wikipedia
https://blooming-days.njs.xyz/2zn3

登戸研究所 – Wikipedia
https://blooming-days.njs.xyz/6tmb

「杉工作」で期待された偽札の効果
https://blooming-days.njs.xyz/khbq

陸軍の偽札製造拠点「登戸研究所」とは|神奈川・川崎の戦跡 薄れる戦争の記憶 NHK
hhttps://blooming-days.njs.xyz/bqun

メッセージをお寄せいただいた皆さん、ラジオをお聴き頂いた皆さん、本当にありがとうございました。

番組では、ポッドキャストによる配信をおこなっています。7/19分については、放送終了後に更新いたします。

また、番組では皆様からのメッセージをお待ちしております。「試してみたよ」「作ってみたよ」といった番組で取り上げた内容のご感想、みなさんが感じる幸せのひとときなど、ぜひお聞かせくださいませ。

なお、番組の構成上、時間の都合でリクエスト曲にはお応えできない可能性がございます。ご容赦くださいませ。

それでは、また来週、月曜日15:00にお耳にかかりましょう。

お相手は、倉嶋桃子でした。

見るラジオ

今回は、水辺のホタルを眺めながらラジオ番組を聴く、そんな気分になれるような動画を作ってみました。

今回使用している動画は、下記のものを使用させていただいています。

動画について

川のせせらぎ水の音 水辺のホタル BGM【睡眠・作業用BGM】
Relaxing Nature Sound, Water Sounds – YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=8hXGh6bG8fo

動画内で使用している楽曲は、次世代を担うミュージシャンたちのものです。気になる曲があったらリンク先サイトを覗いてみて下さい。

動画内音楽について

Like a Song (ft. Marle Thomson) by Anthony Lazaro
https://artlist.io/song/68633/like-a-song-ft-marle-thomson

Livin’ in a House of Blues by Charles Di Raimondo
https://artlist.io/song/36098/livin-in-a-house-of-blues

Voodoo by Kevin Conlon
https://artlist.io/artist/822/kevin-conlon

Something Good by The Hazelnuts
https://artlist.io/song/31533/something-good

Hipper Than Hip by Kevin Conlon
https://artlist.io/song/27322/hipper-than-hip

Super Music Wide