Blooming Days,May’24 | 倉嶋桃子|85.4MHz FMひがしくるめ

Blooming Days - 日々是好日 -

Blooming Days,May’24

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2021年5月24日(月)

みなさん、こんにちは。倉嶋桃子です。

5月も下旬となり、いよいよジメジメとした梅雨が近づいてきました。
雨の日が続き、お天気の良い日がめっきり少なくなる梅雨は、お洗濯物を部屋で干すことも多くなり、湿度が上がり、臭いの原因となる細菌やカビが繁殖しやすくなります。
換気や風通しに気をつけたり、エアコンや除湿機を使っても、梅雨特有の嫌な臭いはなかなか解消できず、色々と頭を悩ませることも多い時期かと思います。

毎年この時期になると、仕事からの帰り道、甘くて良い匂いに出会う場所があります。
匂いの元を辿ると、そこには垂れ下がった枝に、藤のように白や薄紅色の小花をたくさんつけたニセアカシアの木がありました。
日中は、微かな甘い匂いしか感じませんが、雨の多くなるこの時期、特に夜は、この甘い香りを強く感じることが出来ます。

このニセアカシア、和名をハリエンジュといい、明治初期に渡来し、アカシアと呼ばれましたが、後に本物のアカシアが入ってくると、区別するためニセアカシアと呼ばれるようになりました。
花は天ぷらで、新芽は和え物や油炒めで食べることも出来、花から上質な蜂蜜が採れることから、長野県でははちみつの74%がこのニセアカシアの花を「みつ源」としているそうです。

そんなニセアカシアですが、丈夫で成長が早かった為、街路樹、公園樹などに活用され全国に広まりましたが、現在、要注意外来生物リストにあげられ駆除が検討されています。
強い甘い花の香りは、精神をリラックスさせる効果があると言われており、うっとおしい梅雨の時期には、リフレッシュしたような気分にさせてくれますが、もしかしたら近い将来、このお花の香りを嗅ぐことは出来なくなるかもしれません。
梅雨になると思い出す、そんな記憶の中の匂いになってしまうのか心配なところです。

参考資料

ニセアカシア – Wikipedia
https://blooming-days.njs.xyz/1r44

それでは、本日の放送内容です。

「Interest」in bloom-その1-

今回の放送は、「匂いと感情の不思議な関係」についてお送りします。
匂いの持つ「記憶を呼び覚ます不思議な力」について、色々調べてみました。


匂いについて

匂いとは、空気中を漂ってきて嗅覚(きゅうかく)を刺激するもの。

心地よいものとそうでないもので表記を分ける場合が多いですが、「匂い」自体は感覚的なものなので、判断できない場合や、漢字では紛らわしい場合は「平仮名書き」をするのが一般的です。

また、赤などのあざやかな色彩が美しく映えることや、視覚で捉えられる美しい色彩のことも「匂い」と言い、万葉集やいろは歌にも登場します。

においの中でも、特に好ましいものを「香り」「香気(こうき)」「芳香(ほうこう)」と呼び分け、古来から洋の東西を問わず、良い香りを身体・衣服・住居などに漂わせる文化があり、人々は花やハーブを採集したり、香水や香を発達させてきた歴史があります。

たとえば、西洋では古代ローマで西暦1世紀頃に書かれたペダニウス・ディオス コリデスの書には、「ラベンダーを蒸留して作るラベンダーオイルは、他のいかなる香料もしのぐ香りだ」と記述され、着衣や髪につけて用いたり、入浴剤などにも使われていたとあります。

現代でも、フランスなど地中海沿岸の国々の家庭で盛んに用いられており、東洋では香りを探究してゆくうちに香道も行われるようになりました。

飲食においても匂い・香りは重要な要素で、香りの良い食材選びや、香辛料の使用、香りが良くなる調理法の選択などにより、匂いや香りの面でも食生活を充実させようと努力してきました。

また、香水や芳香剤、洗濯用の洗剤・柔軟剤のように、企業が良いにおいとして開発・販売する製品であっても、人によっては香りが強過ぎると感じたり、不快な臭いとして心身に影響が出たりすることもあり、現代の日本では、公害とかけて香りの害、香害と呼ぶこともあります。

一方、不快なにおいは、現代では「臭気」と呼び、臭い(くさい)と言う字をあて、表記を分けるのが一般的です。

臭い(におい)の中でも特に強い不快感をもたらすものを悪臭と言い、日本では悪臭防止法により規制対象となっています。

法律や条例による規制対象ではなくても、口臭や加齢臭、腋臭症を含めた過度の体臭、洗濯していない衣服、喫煙などによる不快な臭いについて、トラブルの原因になったり、抑えることがエチケットとされたりしていますが、悪意の有無にかかわらず、臭気で周囲を不快にさせることをスメルハラスメントと呼んでいます。

しかし、その一方で人間は、文化圏や嗜好が異なる人々が悪臭と感じるにおいを放つ、発酵食品などを好んで食べたり、好奇心から悪臭を嗅いでみたりすることもあります。

アメリカ合衆国で開催されている「最も臭いスニーカーコンテスト」があるほか、東京の池袋PARCOは2018年に、シュールストレミングのにおいなどを嗅げる「におい展」を開催したり、スウェーデン南部のマルメでも、2018年に「不快な食べ物博物館」が開設され、シュールストレミングのほかドリアンなど臭い(におい)が強い食品を展示していました。

近年、様々な研究成果により、匂いというのは他の感覚とは異なり、大脳辺縁系に直接届いていることが明らかになっています。

大脳辺縁系は「情動系」とも呼ばれており、匂いは人間の本能や、特に感情と結びついた記憶と密接な関係があるとされ、匂いは、最も感情を刺激する感覚とも言われています。

脳の発達には男女差があり、一般的に女性は男性よりも脳の嗅覚野が発達している為、女性は男性に比べ匂いに敏感に反応し、関連する記憶まで呼び覚ましやすいと言われています。

九州大学基幹教育院の岡本剛(おかもと つよし)准教授とシステム生命科学府 一貫制博士5年 濱川昌之(はまかわ まさゆき)大学院生は、これまで調査が行われていなかった先天的・後天的な情動反応が一致しない匂いに着目し、「良い香りだけど嫌い」もしくは「悪い臭いだけど好き」の知覚特性を調べました。

実験の結果、「快・不快」と「好き・嫌い」が一致した匂いでは、匂いの強さが強いほど匂いを例える表現(フルーツの香り、アーモンド臭など)が同じようになる傾向が見られましたが、その一方で、「快・不快」と「好き・嫌い」の評価が一致しない匂いでは、匂いの強さに関わらず匂いを例える表現がまちまちである傾向が見られたそうです。

かつてディレクターは、「酸っぱい匂いのする食べ物は、酢を使っているのか、傷んでいるのかわからないので、とても不安な心持ちになる。安心して食べられるように、どういう調味料を使っているのか、事前に告知する法律を速やかに作ってほしい」と言っていましたが、なんの匂いかわからないものについて不安を感じると言うのは、みんな同じようです。

匂いの感覚情報は、情動に関する扁桃体や記憶に関する海馬でも処理されていることがわかっていますが、その詳細な仕組みは、未だ不明なままです。

「Interest」in bloom-その2-

ふと漂ってきた香りに過去の思い出がよみがえる、そんな経験をお持ちの方も多いかと思います。
ある匂いを嗅いだ瞬間、過去の記憶や感情がフラッシュバックする現象は、プルースト効果あるいはプルースト現象と名づけられています。

フランスの作家マルセル・プルーストの『失われた時を求めて』という小説の中で、主人公がマドレーヌを紅茶に浸した際、その香りで幼少時代を思い出す場面があり、その描写が元になっていると言われています。


匂いと記憶をリンクさせるプルースト効果について

プルースト現象に関する研究は、これまでいくつか行われてきましたが、それらの研究に共通している結果は、匂いによって思い出される記憶は、言葉を手がかりに思い出された記憶より、詳細で鮮明だということ。

嗅覚は五感の中で唯一、嗅細胞、嗅球を介して、本能的な行動や喜怒哀楽などの感情を司る大脳辺縁系に直接つながっているので、より情動と関連づけしやすいためと言われています。

最近の研究では、良い記憶と結びついた「匂い」には精神的な傷や疲労を癒す効果があるという事もわかっており、脳や体を活性化させる事で、健康状態を改善する効果があるということも分かってきました。

この匂いのチカラは、古くから、鰻屋さんや焼き鳥屋さん、焼肉屋さんの店頭など、私たちの日常の様々なシーンでも実感することが出来ますが、このプルースト効果を活用し、顧客の印象を操作したりブランドイメージを統一させたりする企業も、最近では多くなりました。

現在、嗅覚によるマーケティングは、世界で10億ドル規模の市場であり、様々な業界に広がっていると言われています。

例えば、世界的ファッションブランドであるHUGO BOSS(ヒューゴボス)の店内には、バジル、ジュニパー、コリアンダーの香りや、パチョリ、シナモンの香り、ゼラニウムとベルガモットの3種類の香りを調合したオリジナルフレグランスの香りが漂っています。

独自の香りで空間演出を行う事で、エレガントでクラシックなイメージを顧客に抱かせるだけでなく、ブランドや商品をお客さんに覚えてもらえる効果を狙っているそうです。

また、世界的に有名な自動車会社である日産自動車は、世界中すべてのモーターショーで香りを使ったマーケティングを展開、香りのある空間を提供しています。

独創的かつ革新的な自動車のデザイン精神と、日本独自の文化を融合させた香りをイメージして、爽やかな柑橘の香りとグリーンティーの香りに、カルダモン、タイム、ドライウッドをアクセントで加えた香りになっており、有名なアパレルブランドやホテルが既に取り入れているように、その空間に足を踏み入れた瞬間、直感的に香りに気づき、家に帰って来たような気分にさせてくれる効果を狙っているのだとか。

他にも、すみだ水族館では、来場者に本格的なリラックス空間を提供するために、ストレスに影響を与える交感神経に働きかける天然成分の研究から生まれたアロマオイル「Arobalance(アロバランス)」という特別な香りを水族館内に漂わせており、5階ペンギンプール周辺の広いエリアには、夏と秋はすっきりとした清涼感のある香りを、冬と春にはフローラルな甘みとすっきりとしたハーブを調合した香りを導入するなど、季節に合わせた香りを導入しています。

ある有名なチョコレートショップでは、購買意欲をそそる効果を狙って、商品から漏れる香り以外に、店内がチョコレートの香りでいっぱいになるような空調設備を導入しているとか。

五感の中で唯一、大脳新皮質を介さず脳に情報を送っている嗅覚。
脳は「匂い」に逆らえないと言われていますが、ビジネスだけでなく、今後、医療の分野でも大きく貢献してくれる日がくることでしょう。

「Interest」in bloom-その3-

私たち人間は、食べ物を食べる際、舌で「甘味」、「塩味」、「酸味」、「苦味」、そして「うま味」という5つの味を感じます。

しかし、私たちが感じる「美味しさ」と言うのは、これらの舌で感じる味だけではなく、料理の香り、見た目や食感、噛む時の音、さらには食事をする際の雰囲気や環境など、五感をフルに使って感じていると言われています。


味覚と嗅覚の密接な関係

実際に、料理の「美味しさ」を創っている主な要素は香りと触感で、風邪をひき鼻が効かなくなると、どんな料理も無味簡素になるのは、これが理由と言われています。

嗅覚と味覚は密接に相互作用しながら、料理のおいしさを創り出している為、香りがないと味の輪郭がぼやけてしまいます。

私たちは、鼻先から香りを感じられるだけでなく、口の中で食べ物を咀嚼しているときに喉越しから
鼻腔に抜けてくる香りを感じることができます。

これをレトロ ネーザル オルファクション(あと香、口中香)といいますが、ネズミや犬と違い、食道と気道が喉で交差しているからこそできる人間特有の「技」です。

チンパンジーなど他の霊長類でも交差していますが、声帯の位置の違いなどの理由で、人と同じようには感じることは出来ません。

アンケートをとると、五感のなかで一番に最初に失ってもいい感覚は?と聞くと、ほとんどの人は嗅覚と答えるそうですが、アメリカのグループが、嗅覚を完全に喪失すると5年以内に死亡する率が他のどの疾病より高い、という報告をしています。

その原因はわかっていませんが、嗅覚を失うと多くの人がとても不安感を感じるためとも言われています。

同じ生物種のにおいがあると安心感を感じるという実験結果もあり、強いストレスを感じたマウスは、同じ動物であるマウスのにおいを嗅がせると安心してストレスが軽減するそうです。

人間も同様に、同じ生物である人間の匂いを嗅いで安心していると考えられています。

私たち人間は、無意識の状態でも、においの信号は鼻から脳に入ってきています。
植物や動物が生きているこの空間にはたくさんのにおいが充満していて、私たち人間もたくさんのにおいを発しています。
確かに悪臭はストレスですが、実は無意識のうちに嗅覚によって多大な恩恵をうけています。

視聴覚が優位な人間社会では、長い間、嗅覚は劣等感覚、匂いは排除の対象でしたが、近年、ブリア・サバランの「美味礼讃」に見られるように、おいしい食の快楽における味と香りの重要性が認識されるようになりました。

鼻をつまんで食べてみて、パッと手を離すと、レトロネーザルから上がってくる芳香が感じられ、「美味しさ」を感じるのは香りだということがよくわかります。
今晩の夕食で、少し香りを意識してみてはいかがでしょうか。

参考資料

におい – Wikipedia
https://blooming-days.njs.xyz/qxwe

「良い香りだけど嫌い」or「悪い臭いだけど好き」の効果が判明 ~情動と嗅覚認知の解明に寄与、魅惑的な香りの開発応用にも~ | 研究成果 | 九州大学(KYUSHU UNIVERSITY)
https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/researches/view/275

においと記憶 | 日医on-line
https://blooming-days.njs.xyz/qkfm

プルースト効果の法則 | 医療法人浜田病院
https://blooming-days.njs.xyz/dzww

香りマーケティングとは?効果や企業の導入事例もご紹介 | 広告運用自動化ツール「Roboma(ロボマ)」ブログ

https://roboma.io/blog/marketing/what-is-fragrance-marketing/

Nissan – Air Aroma 日本
https://www.air-aroma.co.jp/clients/nissan

「においの科学のウソ・ホント」| 生物化学研究室
https://park.itc.u-tokyo.ac.jp/biological-chemistry/profile/essay/essay31.html

メッセージをお寄せいただいた皆さん、ラジオをお聴き頂いた皆さん、本当にありがとうございました。

番組では、ポッドキャストによる配信をおこなっています。5/24分については、放送終了後に更新いたします。

また、番組では皆様からのメッセージをお待ちしております。「試してみたよ」「作ってみたよ」といった番組で取り上げた内容のご感想、みなさんが感じる幸せのひとときなど、ぜひお聞かせくださいませ。

なお、番組の構成上、時間の都合でリクエスト曲にはお応えできない可能性がございます。ご容赦くださいませ。

それでは、また来週、月曜日15:00にお耳にかかりましょう。

お相手は、倉嶋桃子でした。

見るラジオ

今回は、ソロキャンプで分厚いお肉を焼きながらラジオ番組を聴く、そんな気分になれるような動画を作ってみました。

今回使用している動画は、下記のものを使用させていただいています。

動画について

ソロキャンプ|焚火で分厚い和牛モモ肉ローストビーフ丼 – YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=Zgf9eGX4WSY

ソロキャンプ|焚火で分厚い和牛ステーキ!MAKUGANとIMUGE.で【大人ソロキャンプ】 – YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=cbUUki02Yaw

動画内で使用している楽曲は、次世代を担うミュージシャンたちのものです。気になる曲があったらリンク先サイトを覗いてみて下さい。

動画内音楽について

Livin’ in a House of Blues by Charles Di Raimondo
https://artlist.io/song/36098/livin-in-a-house-of-blues

Hot Summer Morning by Kevin Conlon
https://artlist.io/song/27323/hot-summer-morning

I Don’t Wanna Dream Alone by Kyle Cox
https://artlist.io/song/61858/i-dont-wanna-dream-alone

Summer Is for Falling in Love by Sarah Kang
https://artlist.io/song/42155/summer-is-for-falling-in-love

Super Music Wide