Blooming Days,May’10 | 倉嶋桃子|85.4MHz FMひがしくるめ

Blooming Days - 日々是好日 -

Blooming Days,May’10

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2021年5月10日(月)

みなさん、こんにちは。倉嶋桃子です。

4月下旬から5月上旬にかけて、急に夏のような気温が高くなる日があったり、竜巻が発生したり、雹やあられが降ったりと不安定な天候が続いたことがありました。

このような気象の不安定な現象のうち、晴れている時に一時的に雨が降る「天気雨」のことを、「狐の嫁入り」と呼ぶことがあります。

地方によっても呼び名が様々あり、青森県南部地方では「狐の嫁取り」、神奈川県茅ケ崎市では「狐雨(きつねあめ)」、千葉県東夷隅郡(ひがしいすみぐん)では、「狐の祝言(しゅうげん)」と言ったりもするそうです。

この「天気雨」、雨粒が地上に届く前に雨雲が去り、消えてしまったときや、離れたところで降った雨が強い風で流された場合に起こる現象のことを言います。
雨を降らせる雲は、「乱層雲」と「積乱雲」の二種類ありますが、「乱層雲」は平たい層状の雲で、長い時間シトシトと雨降らせるものに対し、天気雨のような雨は、「にわか雨」や「夕立」が降る時と同じ「積乱雲」で発生しやすい現象のことだとか。

この「天気雨」を「狐の嫁入り」と呼ぶ理由は諸説あり、「晴れていても雨が降るという状態を、狐の仕業とみなしてそのように呼んだ」という説や、「嫁入りをする狐たちが、嫁入り行列を人間に見られない様に雨を降らせている」という説、「めでたい日にもかかわらず涙をこぼす嫁もいたであろうことから、妙な天気である天気雨をこう呼んだ」とも言われています。

降雨を司る農業神の性質からか、キツネには自然現象にまつわる話も多く、ほかにも民話や伝説、稲荷信仰など日本文化に密接に関わっている部分があるようです。

知っているようで、実はあまり知らなかった日本の文化とキツネのお話。
今日の放送は、「狐伝説にまつわる摩訶不思議」と題して、キツネをテーマにお送りいたします。

参考資料

天気雨が降るのはなぜ?
https://blooming-days.njs.xyz/iqr1

狐の嫁入り(Wikipedia)
https://blooming-days.njs.xyz/5n8m

天気雨をなぜ「狐の嫁入り」と呼ぶのか?その由来を調べてみた
https://tripeditor.com/164536/3

それでは、本日の放送内容です。

「Interest」in bloom-その1-

今回の放送では、「狐伝説にまつわる摩訶不思議」をテーマに、日本の文化に於けるキツネについてお送りいたします。


日本人とキツネの関係とは

キツネは、タヌキやウサギと並び、日本の里山に住む代表的な動物です。

日本では、本州・九州・四国の各本島と淡路島にホンドギツネが、北海道本島と北方領土にキタキツネが生息しています。
また、近年、沖縄本島でも自然分布以外の流入で生息が確認されています。

イヌ科には珍しく、群れず、小さな家族単位で生活するキツネは、イヌのような社会性はあまりないとされていますが、宮城県白石市の狐塚のように、大きなグループで生活していた例も知られています。

キツネは、生後1年にも満たず捕獲訓練をマスターし、獲物を捕らえるようになり、食性は肉食に近い雑食性。
普段は、鳥、ウサギ、齧歯類などの小動物や昆虫を食べて暮らしていますが、餌が少ないと雑食性となり里に降りてきて残飯や飼われているニワトリを食べたりもします。

夜行性で非常に用心深い反面、賢い動物で好奇心が強いため、大丈夫と判断すると大胆な行動をとり始めます。
最近では、人に慣れることで、白昼に観光客に餌をねだるようになる事が問題にもなっています。

野生のキツネは10年程度の寿命とされていますが、ほとんどの場合、狩猟・事故・病気によって、2年~3年しか生きられないのが実情のようです。

一般的に、キツネの体格は、オオカミ・ジャッカルなど、イヌ科の他の種よりも小型で、平均的なオスのキツネの体重は、5.9kg、メスはそれより軽い5.2kg。

西洋では、「狩り」の対象であり、単なる毛皮動物でしかないキツネですが、古来より私たち日本人にとってキツネは、文化・信仰と言えるほど親密な存在でした。
狐は人を化かすいたずら好きの動物と考えられたり、それとは逆に、稲荷神社に祀られる宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)の神使(しんし:かみのつかい)として信仰されています。

中国文化の影響やキツネの知能の高さから、日本人はキツネを神聖視し、数多くの伝説や信仰が生まれました。

その背景には、弥生時代、日本に本格的な稲作がもたらされるにつれネズミが繁殖し、それを捕食してくれるキツネが豊作をもたらす益獣となったことからと言われています。

稲作が始まってから江戸時代までの間に、日本人はキツネがネズミの天敵であることに注目し、キツネの尿のついた石に、ネズミに対する忌避効果がある事に気づき、田の付近に祠を設置して、油揚げ などで餌付けすることで、信仰と共にキツネを大切にする文化となりました。

赤い鳥居の両側に1対のキツネが鎮座する稲荷神社。
総本山は、京都伏見稲荷大社ですが、日本全国に2,970社以上、境内社や合祀社、更に民家や企業に「屋敷神(やしきがみ)」として祀られている分祀社など小規模なものも合わせると、実に32,000社以上あると言われています。

境内の中にたくさんのキツネがいることから、キツネをお祀りしていると勘違いされている方も多いようですが、キツネはあくまで稲荷神のお使いであって、神さまそのものではありません。
キツネがお使いとして選ばれたのは、稲荷神が農業神であることと深く結びついています。

日本人には古くから「神道」の原形として「山の神、田の神」の信仰があり、春になると山の神が山から里へ降り、田の神となって稲の生育を守護し、収穫を終えた秋に山へ帰って、山の神となると言われています。
このことから、農事の始まる初午(はつうま)の頃から収穫の終わる秋まで、人里に姿を見せていて、田の神が山へ帰られる頃に、山へ戻るキツネを神使とするようになったと言われています。

このキツネが稲荷神のご祭神と混同されるようになったのは、平安時代以降。
諸説ありますが、神仏習合により、稲荷神が仏教の守護神、茶枳尼天(だきにてん)がキツネの姿となって現れるとされたからと言われています。
このことから、いつの間にか一般民衆の間で、稲荷神のご祭神とキツネが混同されるようになったようです。

また、説話の中で多い、人に化ける悪い狐が登場するのもこの頃から。
ある種の精神病を狐の仕業とし、法力で治せるものと宣伝され、密教では狐霊(これい)が使われ呪術が行われていました。

稲荷神社にいる狛狐には、稲穂、巻物、鍵、玉のうちのどれかをくわえているものがあります。
稲穂は、五穀豊穣、巻物は知恵、玉は、稲荷神の霊徳(れいとく)の象徴、鍵は、その御霊(みたま)を身につけようとする願望、または、陰と陽、天と地を示すとも言われています。
花火の掛け声で有名な玉屋、鍵屋も元をただせばお稲荷さんのキツネがくわえていた事に由来しているとも言われています。

江戸時代に入り商業が発達するにつれ、稲荷神は豊作と商売繁盛の神として、もてはやされるようになり、民間信仰の対象として伏見の狐の土偶を、神棚に祀る風習が生まれました。
しかし、明治政府が不敬として狐の土偶の製造を禁じると、キツネの代わりに、それまで細々と生産されていた猫の土偶が大流行し招き猫となりました。
狐霊(これい)に白黒赤金銀があるように招き猫にも白黒赤金が存在するのはそのためだそうです。

この伏見人形、江戸時代には、伏見のメインストリートには60軒もの窯元があったようですが、現在では1750年創業の丹嘉(たんか)さん1軒のみ。
かつて、製造を禁じられたキツネさんも、こちらでお買い求めいただけます。

「Interest」in bloom-その2-

古くから日本では、キツネとタヌキは人を化かすと信じられてきました。
柳田國男の著書「遠野物語」には、村人から聴き取った昔の不思議な話がたくさん記されていますが、ザシキワラシや山男、河童と並び、キツネに化かされたという話も載っています。


キツネは人を化かすと言われるようになった訳

かつては、農耕神信仰においてキツネが重要な役割を果たしていたため、人間を化かすものの、災害や変事を知らせたり、人間を助けてくれる存在として語られていましたが、農耕信仰がすたれるにつれ、狐が狡猾者(こうかつもの)として登場することも多くなり、『今昔物語』や『行脚怪談袋(あんぎゃかいだんぶくろ)』『太平百物語(たいへいひゃくものがたり)』などでは、人間に対していたずらや悪事を働くような存在として描かれています。

人を化かすというキツネ。
そのルーツを辿っていくと、中国につたわる狐の妖怪や伝承が元となっているようです。

清の時代の『子不語(しふご)』によると、全てのキツネが人を化かす能力があるわけではなく、仙狐(せんこ)と呼ばれる1000年以上生きたキツネで、1年に1回行われる試験を受け、合格できたものだけが、世界各地の鳥類の言語・人類の言語を学習し、人間に化ける仙術(せんじゅつ)を習得すると記されています。

狐が仙術を修めているという描写は古くから見られ、『広異記(こういき)』には道士が狐から術を授かったという話の中で、洞窟で狐たちが書物を読んだり、老狐(ろうこ)から教えを受けて術を学習している様子が登場していたり、仙術を得てから三万歳以上を経ていると自称する狐剛子(こごうし)と名乗る狐が、文殊菩薩に化けて登場しています。

狐は女性に化けることが多いとされていますが、これは狐が陰陽五行思想において土行(どぎょう)、特に八卦(はっけ)では「艮(うしとら)」に割り当てられることから、陰気の獣であるとされ、後世になって「狐は女に化けて陽の存在である男に近づくものである」という認識が定着してしまったためと考えられています。

関西・中国地方で有名な「おさん狐(おさんきつね)」は、美女に化けて男女の仲を裂きにくる妖怪で、嫉妬深く男が手を焼くという話が多数残っています。

こういった「狐に化かされた話」が民衆に定着すると、説明のつかない不思議な現象一般を狐の仕業とすることも多くなりました。
得体の知れない燐光(りんこう)を「狐火」、あるいは「狐の嫁入り」と呼び、江戸の王子では、大晦日の夜に関八州の狐が集い、無数の狐火が飛んだと言われ、里人はその動きで豊作の吉凶を占ったと伝えられています。

狐にまつわる俗信には、日暮れに新しい草履をはくと狐に化かされるというものがあり、かなり広い地域で信じられていました。

下駄はもちろん靴でも、新しい履き物は必ず朝におろさなければならないとされ、夕方、新品を履かねばならないときは、裏底に灰か墨を塗らねばならないといわれています。

狐に化かされないためには、眉に唾をつけるとよいとされますが、これは、狐に化かされるのは眉毛の数を読まれるからだと信じられていたためで、真偽の疑わしいものを「眉唾物(まゆつばもの)」というゆえんとなっています。

法話や俗信では説明のつかない、比較的新しい伝説や伝承も存在します。
大阪府の松原市には、戦後しばらくの間まで人に混じって、化けた狐たちが生計を立てていたという伝承が残っていて、彼らは人々と良好な交流関係を保っていただけでなく、姓と名を持ち、住民として住民票が交付されていたようです。

キツネに化かされたという体験談が語られたのは、昭和20年代頃まで。
内山節(うちやま たかし)氏の『日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか』によれば、高度成長、迷信・まやかしを否定する精神風土、ラジオ・テレビの普及、進学率の上昇、自然と人の分離、原生林や天然林の消滅などで、老キツネの消滅などがその理由としてあげられています。

今でも、山道を一人で歩いていると、分かれ道も何もない真っすぐな一本道で、道を間違えるはずがないのに、何度も何度も同じところをくるくると回ってしまい、いつまでたっても山から出られないというような話を聞くことがあります。
皆さんもお気をつけください。

「Interest」in bloom-その3-

おうどんやおそばのメニューにある「たぬき」と「きつね」。
のせる具材で呼び名が違いますが、地方によっては、「たぬき」と「きつね」の指すものが異なる場合があリます。


メニューの中にある「たぬき」と「きつね」にまつわるお話

一般的に、おうどん・おそばにおいてのきつねとは、かけうどん・かけそばに甘辛く煮た油揚げをのせたもののことを言い、「きつねうどん」「きつねそば」と呼んでいます。
いなり寿司同様、油揚げがきつねの好物とされていることや、油揚げの色や形がきつねのうずくまる姿に似ているため、油揚げを「きつね」と称するようになったといわれています。

発祥については、諸説ありますが、江戸時代に大阪で作られたというのが定説のようです。

京都では、けつねとも発音するため、『芦屋道満大内艦(あしやどうまんおおうちかがみ)』に描かれた泉州の信太の森(しのだのもり)の 葛の葉狐(くずのはぎつね)に ちなんで「しのだ」と呼ばれることもあり、「味の付いた三角形の油揚げ」のものを「甘ぎつね」、「味付けしない刻んだ油揚げ」のものを単に「きつね」と呼んでいます。

一方、たぬきは、揚げ玉もしくは天かすがのっているものの事。
天かすの色がたぬきを連想させ、名前の由来になったといわれていますが、具を意味する「たね」を抜いた「たね抜き」が転じて「たぬき」になったなど諸説あります。
関西人は、捨ててもいい天かすを入れる関東人を皮肉って、たぬきうどんを「ハイカラ」と称したとも言われています。

東日本では、油揚げがのっているものをきつね、揚げ玉や天かすがのっているものをたぬきと呼ぶのに対し、大阪を中心とした近畿地方では、醤油と砂糖で甘辛く煮た薄揚げをのせたうどん料理を「きつね」、そば料理を「たぬき」と呼ぶことが一般的な為、「きつねそば」や「たぬきうどん」というメニューは通常存在しません。

また、京都では、刻んだ油揚げの上から葛餡を掛けたうどんを「たぬき」と呼んでおり、大阪で一般的にいわれる「たぬき」とは異なるため、単に「たぬき」とだけ注文された場合には、店側がうどんのものかそばのものか念を押すことがあるそうです。

これは、大阪でも同様で、存在しない「たぬきうどん」や「きつねそば」を注文すると、どのような調理をすれば良いか分からない事があるため、お店から確認を求められる場合があるそうです。

関東と関西で呼び名が違うものは、ほかにもあります。

例えば、「おしるこ」と「ぜんざい」。

関東の「おしるこ」は粒あんやこしあんに水を加えて炊き、お餅を加えたもの。
「ぜんざいは」汁気のほとんどない粒あんを、お餅にかけたものをさしますが、関西では、こしあんに水を加えて炊きお餅を入れたものが「おしるこ」、小豆と砂糖・水を炊いてお餅を入れたものを「ぜんざい」と呼んでいます。
また、関東の「ぜんざい」のように汁気がないものは、関西では「金時」と呼んでいます。

ほかにも、関東のたまごサンドはゆで卵をほぐしマヨネーズなどを和えたものを挟むのに対して、関西では厚焼き玉子を挟むのが一般的など、同じ呼び名の食べ物でも、微妙にその内容が違うものもあります。

同じ日本でありながら、地域によって、同じ呼び名でも指すものが異なるというのは面白いものです。

参考資料

キツネ – Wikipedia
https://blooming-days.njs.xyz/zmmp

日本の文化における狐 – Wikipedia
https://blooming-days.njs.xyz/b88u

妖狐 – Wikipedia
https://blooming-days.njs.xyz/6c30

日本のキツネ | Fox Summary
https://blooming-days.njs.xyz/e06d

【見えない歴史】1965年まで、日本人はキツネに化かされていた。なぜか?|今日のおすすめ|講談社BOOK倶楽部
https://news.kodansha.co.jp/20161031_b01

きつね (麺類) – Wikipedia
https://blooming-days.njs.xyz/xrii

地域で違う?きつねとたぬき | Hisamatsu Plus(久松プラス) – 博多久松の食へのこだわりを発信するブログメディア
https://blooming-days.njs.xyz/je74

メッセージをお寄せいただいた皆さん、ラジオをお聴き頂いた皆さん、本当にありがとうございました。

番組では、ポッドキャストによる配信をおこなっています。5/10分については、放送終了後に更新いたします。

また、番組では皆様からのメッセージをお待ちしております。「試してみたよ」「作ってみたよ」といった番組で取り上げた内容のご感想、みなさんが感じる幸せのひとときなど、ぜひお聞かせくださいませ。

なお、番組の構成上、時間の都合でリクエスト曲にはお応えできない可能性がございます。ご容赦くださいませ。

それでは、また来週、月曜日15:00にお耳にかかりましょう。

お相手は、倉嶋桃子でした。

見るラジオ

今回は、京都・伏見稲荷大社の鳥居をくぐり、境内を歩きながらラジオ番組を聴く、そんな気分になれるような動画を作ってみました。
今回使用している動画は、下記のものを使用させていただいています。

動画について

Kyoto Walking Tour【伏見稲荷大社】稲荷山山頂千本鳥居⛩️ウォーク
VIRTUAL KYOTO
https://www.youtube.com/watch?v=ZGozYVMHmRo

動画内で使用している楽曲は、次世代を担うミュージシャンたちのものです。気になる曲があったらリンク先サイトを覗いてみて下さい。

動画内音楽について

Weekend Getaway by Montythehokage
https://artlist.io/song/62148/weekend-getaway

Dirty Mouth – No Lead Vocals by HARLOW
https://artlist.io/song/63672/dirty-mouth

Patiently Waiting by Kyle Cox
https://artlist.io/song/61867/patiently-waiting

Pounding So Hard – No Lead Vocals by Higher Land
https://artlist.io/song/61152/pounding-so-hard

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