Blooming Days+,April’20 | 倉嶋桃子|79.1MHz KOCOラジ

Blooming Days - 日々是好日 -

Blooming Days+,April’20

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2021年4月20日(火)

みなさん、こんにちは。倉嶋桃子です。

先日ニュースで「西武園ゆうえんち」が5月19日にリニューアルオープンするとの話題が取り上げられていました。
新しい遊園地のコンセプトは「心あたたまる幸福感」。
園内は1960年代の昭和レトロの街並みを再現、「新しいけど懐かしい非日常の世界」を味わえる場所へ生まれ変わるそうです。

遊園地と言えば、皆さんは印象的な遊園地の思い出や出来事はありますでしょうか?
私は小学生の時、家族と一緒ではなく、初めてお友達と自分だけで遊園地へ出かけた際に忘れ物をした出来事が今でもよく覚えています。

お友達とは最寄り駅で待ち合わせをし、電車へ乗って出発。
着いた駅からはバスで現地へ行き、遊園地の入場チケットを買おうとしてバックを見ると、お財布がないのです。
慌てた私は、バックの中身を改めて全部外へ出し探してみたものの、お小遣いを入れてあったお気に入りのお財布は見つからず、途方にくれたところ、何かあった時のためにと小銭入れをポケットに入れていたことを思い出し、園内にあった公衆電話から自宅へ電話をしました。

事の顛末をたまたま電話に出た父に話すと、どうやら最寄り駅まで送ってもらった車の中で、荷物の確認をした時にお財布を落としていたようで、自宅にお財布があることが判明。
この後どうしたらいいか相談すると、父の友人がその遊園地の近くに住んでいるので、父の代わりにお金を届けてもらうということになったのです。

程なくして、私が一度も会ったことがないおじさんが目印のところに現れ、父から頼まれたものと封筒に入ったお金を渡してくださり、受け取った私は、そのまま遊園地で遊べることになりました。

無事に園内に入場でき、乗り物にも乗れるようになったものの、お友達に心配をかけを待たせてしまったことと、わざわざ父のお友達が届けてくださった申し訳なさとですっかり気分が落ち込み、遊園地での時間も心から楽しむことができませんでした。

それ以来、遊びなどで遠出する時には、いつも以上に持ち物の確認を出発前にしたり、万が一何かあった時の対処法を考えておくというのが習慣となっていて、子どもたちが出かけるときにも、ついつい細かいことを言ってしまいます。
今は、携帯電話など素早く連絡がとれる手段があり、何かあってもすぐに対応できそうな時代なので、昔ほど心配することはなさそうですが…。

参考資料

西武園ゆうえんち、5月グランドオープン 昭和の街並み再現、埼玉・所沢に懐かしい世界 ゴジラやアトムも
https://this.kiji.is/754867785082519552?c=39546741839462401

西武園ゆうえんち
https://www.seibu-leisure.co.jp/guide/renewal/

それでは、本日の放送内容です。

走れメロスについてのお話

4/19のFMひがしくるめの放送は、4月の第三月曜日がボストンマラソンの開催日ということで、ボストンマラソンについてお送りいたしました。
今日のココラジでは、「走る」繋がりで「走れメロス」をテーマにお送りしたいと思います。

走れメロスというと1940年太宰治が新潮5月号で発表した短編小説ですが、皆さんは「走れメロス」のお話を覚えていらっしゃいますでしょうか?

「処刑されるのを承知の上で友情を守ったメロスが、人の心を信じられない王に信頼することの尊さを悟らせる物語」ということですが、大人になった今、改めて読み返して見ると、新たな気づきや疑問点が多いお話ということがわかり、今日は、そのあたりの事を考えてみようと思います。

『走れメロス』あらすじ

羊飼いのメロスは純朴で正義感の強い青年である。
彼は妹の結婚式を挙げるため、シラクスの町へ買い物にきた。
すると、昔は賑やかだったシラクスはとても寂しく落ち込んでいた。

メロスは町の人から、王様が人間不信に陥ったため人々を虐殺しているという事実を聞き、激怒する。
邪智暴虐(じゃちぼうぎゃく)の王を暗殺しようと決意した彼は、短剣を携えて城へ侵入するもすぐに捕まる。
さらに王に向かって「人の心を疑うのは、最も恥ずべき悪徳だ」と言い放つ。

そうして死刑が確定したメロスは、妹のもとに帰って結婚式を挙げてやるために、3日後の日没まで猶予をくれと頼む。
そしてセリヌンティウスという親友を人質として王の前に差し出した。
人間不信の王は、メロスが親友を裏切って逃げるのもまた見ものだと思い、これを承諾する。

メロスは一睡もせず走って家に戻り、妹の結婚式を挙げた。
そして最後の1日の明け方、目を覚ましたメロスはシラクスへとひた走った。
豪雨で増水した川の濁流を泳ぎ切り、襲ってきた山賊にも打ち勝ったメロスだが、ついに体力の限界を迎えて動けなくなってしまう。

一度は諦めかけたメロスだが、それでも自分を信じて待っている親友のもとへ走り始める。
血を吐いてボロボロになりながらも、彼は日没直前の瞬間、処刑台の前へと滑り込む。

セリヌンティウスは、一度だけメロスを疑ったことを白状し、メロスもまた一度だけ友を裏切りかけたことを白状する。
2人は一度ずつ互いの頬を殴り、そして熱い抱擁を交わす。

この美しい友情を見た王はメロスを無罪にし、さらには「自分も仲間に入れてくれ」と懇願した。

このお話は、「古伝説とシルレルの詩から」インスピレーションを受けて作った作品と太宰治本人も言っていますが、古伝説というのは、古代ローマの著作家ヒュギーヌスが残した『神話伝説集』のことで、そのなかに「友情で極めて強く結ばれた者たち」というエピソードが収録されています。

その内容は古代ギリシャの植民地・シラクスを舞台に、ピタゴラス派の教団員たちの友情を描いたもの。
シラクスの主君・ディオニシオス2世が教団員のひとりに死刑宣告をし、仲間がそれを救うため、逃げずに刑場にやってくる。
その中の1つ「人質」という詩のことを指していると言われています。

これを18世紀ドイツの詩人フリードリヒ・フォン・シラーが『人質』という詩にまとめています。

1937年に小栗孝則が翻訳しているのですが、読んでみると内容のほとんどが丸写しです。
今なら大変な問題になるところですが、当時はおおらかな時代だったのかもしれません。

太宰治がこの作品を作る発端となったと言われているエピソードがあるのですが、それは「熱海事件」「付け馬事件」と呼ばれている熱海村上旅館でのお話です。

「熱海事件」概要について

懇意にしていた熱海の村上旅館からいつまでたっても戻らぬ太宰を、「きっと良くない生活をしているのでは……」と心配した妻、初代が、太宰の友人である檀一雄に「様子を見て来て欲しい」と往復の交通費と宿代などを預け熱海に向かわせたところ、太宰は檀を引き止めて連日飲み歩き、とうとう預かってきた金を全て使い切ってしまいます。

飲み代や宿代も溜まってきたところで太宰は、檀に宿の人質(宿賃のかたに身代わりになって宿にとどまること)となって待っていてくれと説得し、自分は1人東京にいる井伏鱒二のところに借金をしに行ってしまう。

数日待ってもいっこうに音沙汰もない太宰にしびれを切らした檀が、宿屋と飲み屋に支払いを待ってもらい、井伏のもとに駆けつけてみると、2人はのん気に将棋を指していたそうで、どうやら太宰は、今まで散々面倒をかけてきた井伏に借金の申し出のタイミングがつかめずにいたそうなんですが、激怒しかけた檀に太宰は「待つ身が辛いかね。待たせる身が辛いかね。」 と言ったそうです。

太宰本人は、このエピソードが創作のきっかけになったとは言っていませんが、後日、発表された『走れメロス』を読んだ檀は「おそらく私達の熱海行が少なくもその重要な心情の発端になっていはしないかと考えた」と『小説 太宰治』に書き残しています。

他、倉嶋とディレクター小出との詳しいお話の内容は、ポッドキャストをお聴きください。

「走れメロス」の考察-その1-

このお話は、教科書にも載るくらいの名作と言われていますが、大人になった今、改めて読み返してみると、色々とおかしいんじゃないかと思われる点がいくつかあります。

まず初めに気になる点は、「メロス、思考が単純すぎ問題」

たまたまそばにいたたった1人の老人のいう「王様は人を殺します」という言葉を鵜呑みにして、「呆れた王だ。生かして置けぬ。」と言って、王様を殺しに行くのは、思慮が浅すぎるのではないかという問題です。

次に、「メロス、自分勝手すぎる問題」

誰に頼まれたわけでもなく、勝手に城に乗り込んでおきながら、自分が死刑になるとわかると今度は「私は妹の結婚式に出ねばならないので3日間の猶予をくれ」と言い出すのは、身勝手すぎるのではないかという問題です。

この「メロス、自分勝手すぎる問題」は、お話を通して随所に見られるのですが、他にも、「そんなに私が信じられないならば、よろしい、この市にセリヌンティウスという石工がいます。私の無二の友人だ。あれを人質としてここへ置いて行こう。私が逃げてしまって、三日目の夕暮れまで、ここに帰って来なかったら、あの友人を絞め殺して下さい。たのむ。そうして下さい!」と言って、本人の承諾もなしに、勝手にセリヌンティウスを身代わりに置くことを決めてしまっています。

さらには、「妹の結婚式の日取りを当人達の承諾もなしに、明日やると勝手に決めてしまう」という問題もあります。

そして、さらに気になる登場人物のお話として、「突然現れるフィロストラトス。あなた誰?」問題。
日没も迫り、ゴールも間近となったタイミングで現れる自称セリヌンティウスの弟子フィロストラトス。
「もう、駄目でございます。むだでございます。走るのは、やめて下さい。もう、あの方をお助けになることは出来ません。」
と言って、メロスが走るの止めにくる謎の人物が登場します。

他、倉嶋とディレクター小出との詳しいお話の内容は、ポッドキャストをお聴きください。

「走れメロス」の考察-その2-

このお話、「自分を信じて待っている友人の為に、死に物狂いで走って、なんとか間一髪間に合い、メロスも友人も処刑されずにすんだ」というお話になっていますが、メロスの足取りを検証して見ると、どうもメロスは走っていなかったのではないかという疑惑が浮上しています。

まず、シラクスの町から、メロスの住む村までの距離が「10里」ということですから、距離にすると約39キロ。
マラソンの距離が42.195キロですから、それよりも3キロほど短い距離になります。

山やら川などがあったとしても、ぱっと見、3日で1往復ですから、なんかそれほど大変ではなさそうな気もするんですが、当時中学2年生だった村田一真君が、この「走れメロス」に書かれたメロスの足取りを頼りにメロスの平均移動速度を調べています。

これは、一般財団法人 理数教育研究所開催『算数・数学の自由研究』作品コンクールで入賞した『メロスの全力を検証』という自由研究です。

これによりますと、村田一真くんはメロスの移動速度を以下のように推論しました。

まず、往路です。

出発は「深夜」「満天の星」「すぐに出発」と記述されているので、午前0時と仮定。
到着は「陽は既に高く昇って、村人たちは野に出て仕事を始めていた」とあるので、午前10時と仮定。
すなわち1日目は10時間かけて39キロを歩いたことになります。
単純に計算すると時速3.9Km、不動産広告の規定徒歩時間は1分間80mで、時速4.8kmという事ですから、走ったというよりも普通に歩いた感じ。

そして3日目の復路。
目覚めは「薄明のころ」と記述。
初夏なので夏至の頃の日の出少し前と推定。
イタリア南端は北緯38度付近。仙台とほぼ同じで、今年の日の出は4時12分。
したがって目覚めたのは午前4時。
そして「悠々と身支度を始めた」とあるので、出発は4時半と仮定。

メロスはゴールの刑場に日没ギリギリに到着したとの記述があるので、日の入である午後7時頃と推定。
往路のペースから考えると10時間後の午後2時半頃には着くはずなのに、5時間も余計に掛かった。

その理由として、「全里程の半ばに到達した頃」が「太陽も既に真昼時」だったとの記述から、午前12時頃に全里程半分の20km地点に到達していたと推定。
20kmを7.5時間かけているので、時速2.7km。

また、午後4時までのアクシデントは、激流の川渡り(30分ロス)、山賊との戦い(30分ロス)、疲労で倒れた(1時間ロス)と仮定。
残り16kmについては、死に物狂いで走ったわりには3時間もかけているので、平均速度5.3km。
やや早歩き程度の速度。
東京マラソンの制限時間は7時間。一般人でも時速6km(速歩き)で完走できるので、メロスの最終時速5.3kmは東京マラソンで一番遅い走者より遅いことになる。

村田くんは、結論でこう述べています。

「メロスは結婚式のために色々買った物をすべて持って村に行かなければいけないので、往路では少し遅くなったと思います。 しかし、遅すぎると思いました。『走れメロス』というタイトルは、『走れよメロス』のほうが合っているなと思いました」

他、倉嶋とディレクター小出との詳しいお話の内容は、ポッドキャストをお聴きください。

「人質」エピソードのお話

倉嶋の子どもの頃に体験したお話、ディレクター小出の「走れメロス」の心境を味わったお話など、詳しくはポッドキャストをお聴きください。

参考資料

太宰治 走れメロス
https://blooming-days.njs.xyz/84rr

走れメロス – Wikipedia
https://blooming-days.njs.xyz/n6p0

メロスの全力を検証
https://blooming-days.njs.xyz/bo4d

『走れメロス』のダメダメな3日間に密着!太宰治の名作の面白さを斜め読み! | ホンシェルジュ
https://honcierge.jp/articles/shelf_story/6227

ここが変だよ『走れメロス』!メロスが冷静に考えたらおかしかった件 – モミジズム(MOMIZizm)|音楽と映像とそしてドラクエへ…
https://storyinvention.com/29/

さて、本日は太宰治の「走れメロス」をテーマにお送りいたしました。

番組では、放送内容他、ポッドキャストのみ聴くことができる放送内容の予告、放送を振返る放送後記、そして、毎週月曜日に放送しているFMひがしくるめの放送内容など、ポッドキャスト配信をしています。

皆さんのお好きな時間に、お好きな楽しみ方を、ぜひお試しいただければと思います。

見るラジオ

今回は、秋田犬とお散歩しながらラジオ番組を聴く、そんな気分になれるような動画を作ってみました。

使用している動画は、下記のものを使用させていただいています。

動画について

毘沙門(秋田犬)お散歩動画 85日目-Akita Dog BISYAMON毘沙門-
https://www.youtube.com/watch?v=mvLLsPlBkNc

毘沙門(秋田犬)お散歩動画 86日目-Akita Dog BISYAMON毘沙門-
https://www.youtube.com/watch?v=24eaIpCnjMo

動画内で使用している楽曲は、次世代を担うミュージシャンたちのものです。気になる曲があったらリンク先サイトを覗いてみて下さい。

動画内音楽について

Someone like You by Anthony Lazaro
https://artlist.io/song/44149/someone-like-you

Summer Is for Falling in Love by Sarah Kang
https://artlist.io/song/42155/summer-is-for-falling-in-love

Fall in Love This Christmas by Foster
https://artlist.io/song/40661/fall-in-love-this-christmas

Sunset to Sunrise by Hot Rod Elegants
https://artlist.io/song/36529/sunset-to-sunrise

Lie in the Sun by ORKAS
https://artlist.io/song/34496/lie-in-the-sun

Podcast

放送をお聞きいただいた皆様、メッセージをいただきました皆様、本日もありがとうございました。

番組では、特設サイトのメッセージボード、または、KOCOラジの メッセージフォームにて、皆様からのメッセージ、ご感想をお待ちしております。

次回も、「Blooming Days PLUS-日々是好日-」で、皆様とお耳にかかれることを楽しみにしております。