Blooming Days,March’29 | 倉嶋桃子|85.4MHz FMひがしくるめ

Blooming Days - 日々是好日 -

Blooming Days,March’29

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2021年3月29日(月)

みなさん、こんにちは。倉嶋桃子です。

3月に入った頃、近所に住む友人が「比較的住宅地が広がってきたこの地域でも「カタクリ」の花を見られる場所があるっていいわよね。」と、言っていました。

私が越してきた30年くらい前に比べて、確かに人口も増え住宅街が広がってきた印象がありますが、里山や地域の人たちが管理するような緑地帯もあったりと、都市部と郊外の良い部分がバランス良く残っているようなところがまだあります。

「カタクリ」の花をはじめて見たのは、幼い時に祖父母も含めて家族と地元の山へハイキングへ行った時。
その時に「カタクリの花の球根部分から片栗粉が作られる」ということを祖母から聞き、とても驚いたことを覚えています。

たしかに祖母の言っていた通り、調理で使われる片栗粉は、昔はカタクリの花の球根から抽出されたデンプンのことを言っていたそうですが、精製量が少ないため、現在はじゃがいもやさつまいもから抽出したデンプンが使われています。

主に落葉広葉樹林に群生しているこの「カタクリ」、1年のうちで地上に出ている期間は、春先の2か月ほどで、葉で光合成をして栄養分を球根に蓄え、夏になると葉を枯らし、翌年の春まで土の中で球根のまま休眠状態で大半を過ごしています。

このように、早春に落葉樹下などの林床に姿を現し、一斉に花を咲かせた後、夏が来る前に姿を消してしまうようなライフサイクルをもつ多年生植物は、欧米ではスプリング・エフェメラルと呼ばれていて、エフェメラルを直訳すると「はかないもの」「短い命」という意味があることから、春の妖精とも呼ばれています。

「カタクリ」が種子から発芽し花を咲かせるまでは、球根に栄養を蓄える時間が必要で、8年〜9年の歳月を要するということなので、もし、この春に見かけることがありましたら、じっくりとお花を観察してみてください。

それでは、本日の放送内容です。

「Food」in bloom-その1-

納豆とは、よく蒸した大豆を納豆菌によって発酵させた発酵食品のこと。
日本の伝統的な食品だと思われがちですが、世界には様々な納豆があり、発酵方法や料理の仕方も多彩です。
韓国や中国をはじめ、インドネシア、タイなど、多少なりとも似通った食文化を持つアジア以外にも、遠くアフリカや、最近ではアメリカやフランスでも食べられています。
今日の「Food」 in bloomでは、江戸の庶民からアフリカ人まで虜にする納豆をテーマに、送りいたします。


納豆のお話

納豆は、スーパーやコンビニでは1年中店頭に並んでいるため、旬の時期はなさそうですが、俳句では「納豆」「納豆汁」などが冬の季語であるように、本来、納豆の旬の時期は、1月から3月。
秋から冬に収穫される国産大豆の新豆は、貯蔵されると余分な水分が飛び、身が引き締まった美味しい大豆になることから、この時期に加工された納豆は、新豆ならではの甘みがある、ふっくらとしたおいしい納豆になるのだそうです。

大豆は縄文時代に伝来しており、稲作も始まっていましたが、納豆の起源や歴史については、様々な説があり定かではありません。

中国から伝えられた「豉(くき)」現在でいう「豆鼓」がその起源とも言われており、今でも、京都の大徳寺では、大徳寺納豆として作り続けられていますが、枯草菌(こそうきん)で発酵させた糸引き納豆と違い、コウジカビで発酵させた「豉」は、発酵させる微生物も生産のプロセスも違う別の発酵大豆であることから、塩辛納豆と呼ばれています。

私たちが普段口にしている糸引き納豆が食べられるようになったのは、室町時代から。
江戸時代になると、京都や江戸では、「納豆売り」が毎朝納豆を売り歩いていました。
この頃の納豆は、容器に付着した納豆菌による自然発酵によって作られていたため、味や品質は不安定なものだったようです。

江戸時代後期の風俗や事物を記録した『(もりさだまんこう)』には、醤油をかけて食べたり、納豆汁として食べていた事が書かれており、納豆売りは、手早く納豆汁が作れるように叩いて平たくした納豆を、青菜とともに売っていたようです。

この頃の大豆は、今よりも大粒で食べづらく、また上手に発酵させるのが難しかったことから、当時の納豆は、現在私たちが口にする粒納豆ではなく、石臼などで大豆を挽き、皮を取り除いて作られるひき割り納豆でした。

粒納豆を、細かく刻んだものがひき割り納豆だと誤解されがちですが、納豆菌が付着する表面積が広がること、皮が取り除かれていることなどから、その味わいや栄養価は粒納豆と同じではなく、当時のひきわり納豆も、今私たちが口にする納豆ほどネバネバしていなかったようです。

今のような小粒でネバネバした納豆が食べられるようになったのは、1918年以降、純粋培養した納豆菌によって安定的かつ衛生的な製造方法が確立されてから。
戦時中は軍用食として、終戦後は日本人を救う栄養食として食べられていましたが、1960年代以降の冷蔵輸送技術の発展と普及により流通量が拡大するまでは、地域によっては店頭に並ぶこともなく、日本全国に行き渡るようになったのは、平成になってからのこと。

日本では長らく稲藁が菌の供給源として使われていましたが、戦後、サルモネラ属菌による納豆中毒で多くの死者を出したという事件が立て続けに起こった事が原因で、食品衛生法の一部が改正され、稲藁から培養された納豆菌を用いた生産へと、転換せざるを得ない状況になりました。

デパートやスーパーの店頭では、藁に包まれた納豆を見かけることもありますが、フィルムに包まれた納豆は、衛生上の問題から中身は、純粋培養した納豆菌を使ったものがほとんどだそうです。
こうした伝統食品らしさを演出した製品以外に、稲藁に付着している納豆菌を用いた伝統的な製法による納豆も、少ないながら製造され流通しています。

日本で売られている多くの納豆の違いは、何百もの種類の大豆とタレの組み合わせで差別化されていると言っても過言ではないようです。

「Food」in bloom-その2-

お醤油やタレ、辛子やネギなどの薬味を加えたものを、炊いたご飯に載せて一緒に食べることが多い納豆ですが、この食べ方は江戸時代から既に普及していたとされています。


納豆の美味しい食べ方について

一般的に、納豆をふんわりとした食感で食べるためには、糸を引いて空気を含むように良く練ることが重要と言われています。
そもそも、あの納豆特有のネバネバは、発酵が進む際にできたアミノ酸の鎖で、撹拌した時に白いネバネバが増すのは、このアミノ酸で出来た鎖がちぎれてできた旨味成分のこと。

混ぜる前にタレやお醤油を加えがちですが、先にタレなどを加えると水分過多となってしまい粘りがあまり出なくなってしまうため、あまり好ましくはありません。

大正・昭和を代表する陶芸家・美食家である北大路魯山人は、著書『春夏秋冬料理王国』の中で、納豆を美味しく食べるポイントは「よく練ること」と記しています。
その手順とは、

1.まずは何も加えずに、2本の箸で納豆を300回ほど練り

2.醤油を数滴ずつ落としながら、さらに100回ほど練る

3.そして、糸の姿がなくなってドロドロになったら、カラシを加えて撹拌し

4.好みでネギのみじん切りを加える

とあります。

納豆製造メーカーのタカノフーズが調べたところによると、旨味成分が最大限引き出されたのは、500回撹拌した時との事。
魯山人の推奨する食べ方も科学的な根拠もあり、あながち嘘ではないようです。

この食べ方を試してみたというディレクター曰く「かなりクリーミーな感じになる」とのこと。
ちなみに、納豆をジューサーミキサーでシェイクして食べてみたこともあるらしく「信じられないことだが、どういうわけかカニの味になった」そうです。

さて、たくさんの栄養素が含まれた納豆ですが、最近では納豆に含まれるナットウキナーゼという成分が血栓を溶かすという事がわかっています。
研究では納豆を1週間に約1パック食べていた人は脳卒中の死亡リスクが32%も低かったそうですが、このナットウキナーゼの効果を最大限に発揮させる方法は、食べ方と時間。
ナットウキナーゼは高温になると菌が効力を失うため、アツアツのご飯に納豆をかけて食べたり、チャーハンやカレーへのトッピングもあまりオススメできないそうです。

温度の上限は70度。
効果的な食べ方は、そのまま食べるか冷たいものと合わせて食べる事で、冷蔵庫から出したばかりのものではなく、20分常温で放置し、ナットウキナーゼが活性化してから食べるとよいそうです。
このナットウキナーゼは、食後4時間で効果を発揮して、8時間ほど持続するらしく、食べるタイミングは朝よりも夜がオススメとのこと。
晩御飯に納豆を食べた翌朝は、すっきり目が覚めるそうです。

また、朝食では定番となっている納豆と生卵ですが、実はこの食べ合わせは良いものではないようです。
納豆に含まれる「ビオチン」には、皮膚や髪の毛を美しくする効果がありますが、このビオチンの効果を妨げるのが、生卵の白身に含まれる「アビジン」。
卵と一緒に食べたいときには半熟卵にするなどして、白身を加熱した状態の卵を使ってみてくださいね。

「Food」in bloom-その3-

多くの人が日本特有の食べ物だと思い込んでいる納豆ですが、世界各地には大豆を発酵させた「納豆のようなもの」が数多く存在します。


世界の納豆事情とは

特にアジアでは、主食であるお米が、うるちの地域と餅の地域に分かれているため、納豆の食べ方こそ異なっているものの、ご飯のおかずとして食べられている地域は日本以外のアジア各地に広がっています。

ミャンマーや中国では、味の基本は塩と唐辛子、さらにショウガ、ニンニク、ネギやコリアンダーなどのハーブを加えて食べるのが定番で、お醤油をかける日本とは違った食べ方のようです。
また、もち米を主食とするタイやベトナム、ラオスでは、ひき割り状の納豆が主流で、トウガラシ、塩、味の素、魚醤などで作ったディップソースをつけて食べるのが主流とのこと。
他にもカンボジア、ネパール、ブータン、インドにも、豆の種類や発酵させる菌の種類は違うものの日本の納豆と良く似た食べ物が数多く存在します。
また、アフリカの各地には、豆や種で作るスンバラなどの発酵食品があり、調味料として使う他、炊き込みご飯やクスクスと混ぜて食べるなど食べ方も多様です。

欧米諸国においては、National Restaurant Association(全米レストラン協会)が発表した、「2020年 注目のフレーバー」に、nattoのumamiが取り上げられるなど、ここ最近納豆に関する世界の状況が変わってきています。

これまで、外国人にはなかなか受け入れられなかった納豆ですが、その主な理由が、ニオイと粘りと言われていました。
そこで、近年開発されたのが糸引きの少ない納豆で、混ぜると粒がぱらぱらほどけ、スプーンでも食べやすいと好評を博して、美食の国フランスでも納豆が受け入れられるようになりました。

独特の香りを放つチーズを好むフランス人にとって、納豆のニオイなどさほど気にならない人も少なくないらしく、糸を引かない納豆は、チーズやバター、ワインにもよく合うと好評のようです。
その使い方は、パンやパスタにかけたり、サラダに入れたり、すぐに使える豆として重宝するという声もあります。
実はフランスでは、フランス人がフランス産大豆を使って作る納豆が販売されているほど、納豆が浸透しています。

同じくアメリカNYでも納豆を製造している「NYrture New York Natto(ニューター ニューヨーク ナットウ)」 という会社があります。
微生物学者のAnn Yonetani(アン ヨネタニ)氏が立ち上げた会社で、NYでは30以上の店舗で販売をされるなど、人気になっているようです。
フィラデルフィア出身の日系2世で、2016年に創業したブルックリンの工場で、彼女は同僚4人と、4種類の納豆を少量生産しています。

もとはコロンビア大学で微生物学の博士号を取得し、ハーバードメディカルスクールなどで15年間、がん細胞のメカニズムなどを研究していた米谷アンさん。
2015年、家族で夏休みを東京で過ごしたとき、ふとしたことで5代続いている老舗の納豆屋で納豆作りを教えてもらい、自分が食べるためにと、ごく少量の納豆を作り始めましたが、友人に分けてみると大好評で『商品化すべき』と言ってもらえた事がビジネスにするきっかけだったそうです。

NYrture New York Natto(ニューター ニューヨーク ナットウ)の顧客の90%はアメリカに住む非日本人。
豆は遺伝子組み換えではない、中西部、主にノースダコタ州産のものを使い、プロバイオティックがダメージを受けるため、冷凍は絶対にしないそうです。
彼女の手作り納豆は、味、香り、かみ応え、粘りなどにおいて、一度食べたらクセになるおいしさだとか。

日本の伝統食品「納豆」は、いつしか世界中で食され、作られるようになってきているようです。

参考資料

納豆 – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%8D%E8%B1%86

アフリカ人から江戸の民まで愛した「納豆」のネバネバ科学式 – イーアイデムの地元メディア「ジモコロ」
https://www.e-aidem.com/ch/jimocoro/entry/kakijiro43

1~3月に“旬”を迎える納豆には、こんな驚きの食べ方も!(tenki.jpサプリ 2015年01月06日) – 日本気象協会 tenki.jp
https://tenki.jp/suppl/marinahishinuma/2015/01/06/841.html

拡大する納豆市場 | おかめ「納豆サイエンスラボ」
http://www.natto-science.jp/market03.html

価格.com – 「名医のTHE太鼓判! ~【密着!血圧24時】★長生きできる納豆の食べ方~」2018年7月30日(月)放送内容 | テレビ紹介情報
https://blooming-days.njs.xyz/cs1x

第10回 カビで発酵させる納豆:塩辛納豆とテンペ – のう地 Know-chi
http://knowchi.jp/archives/1679

第3回 日本における稲ワラ納豆の消滅 – のう地 Know-chi
http://knowchi.jp/archives/891

ブルックリン産のできたて納豆 (古くて新しい、とっておきのブルックリンへ 035) | ニューヨークで生活する人のための情報サイト – NYJapion.com
https://www.ejapion.com/default/9472/

メッセージをお寄せいただいた皆さん、ラジオをお聴き頂いた皆さん、本当にありがとうございました。

番組では、ポッドキャストによる配信をおこなっています。3/29分については、放送終了後に更新いたします。

また、番組では皆様からのメッセージをお待ちしております。「試してみたよ」「作ってみたよ」といった番組で取り上げた内容のご感想、みなさんが感じる幸せのひとときなど、ぜひお聞かせくださいませ。

なお、番組の構成上、時間の都合でリクエスト曲にはお応えできない可能性がございます。ご容赦くださいませ。

それでは、また来週、月曜日15:00にお耳にかかりましょう。

お相手は、倉嶋桃子でした。

見るラジオ

今回は、台湾にある世界三大登山鉄道の一つ「阿里山森林鉄道」に乗り、森林内を移動しながらラジオ番組を聴く、そんな気分になれるような動画を作ってみました。

この「阿里山森林鉄道」は、日本統治時代の1899年に、ヒノキ材を運搬する目的で建設された鉄道で、当時の日本とアメリカの最先端の技術を駆使して建設されました。
全長72.7kmと短いながらも、始発-終着駅間標高差が2274mにもなります。

鉄道の名前に入っている「阿里山」は、台湾原住民ツォオ族の聖地と言われており、木道両脇には樹齢1000年を超えるヒノキの巨木が立ち並び、「台湾最強のパワースポット」と言われているとか。

参考資料

世界三大登山鉄道「阿里山森林鉄道」に乗って台湾最強パワースポット「阿里山」へ行こう
https://www.travel.co.jp/guide/article/5220/

今回使用している動画は、「【阿里山森林鉄道】列車前面展望 阿里山-二萬平-65.3K 往復 – Eyes Ball- 」の下記のものを使用させていただいています。

動画について

【阿里山森林鉄道】列車前面展望 阿里山-二萬平-65.3K 往復-Eyes Ball-
https://www.youtube.com/watch?v=6WzTI6_s-EM

動画内で使用している楽曲は、次世代を担うミュージシャンたちのものです。気になる曲があったらリンク先サイトを覗いてみて下さい。

動画内音楽について

Gratitude by Aves
https://artlist.io/jp/song/59126/gratitude

Jet Planes – Acoustic Version by Christopher Young
https://artlist.io/jp/song/60969/jet-planes—acoustic-version

Other Side by Mac A DeMia
https://artlist.io/jp/song/61450/other-side

House on a Rock by Southern Call
https://artlist.io/jp/song/60383/house-on-a-rock

Super Music Wide