Blooming Days,January’18|倉嶋桃子|85.4MHz FMひがしくるめ

Blooming Days - 日々是好日 -

Blooming Days,January’18

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みなさん、こんにちは。倉嶋桃子です。

関東地方や一部の地域では、移動や活動の制限が必要だったりしているので、自宅で過ごす時間が増え、運動不足を感じていらっしゃる方もいるかと思います。
何か体を動かそうと思っていても寒い日が続いていると、体を動かすこと自体が面倒に感じてしまいます。
一方で、雪が降っている地域では、日々の除雪作業などで嫌でも体を動かしているよ、という方もいるかもしれませんね。

筑波大学大学院と健康機器メーカー「タニタ」が2020年の春に行った調査によると、在宅ワークに変わったことにより、1日あたりの歩数がおよそ30%減ったり、人によっては1日の歩数が70%減って、1日3000歩程度しか歩かなくなったというデータが出たようです。

私が所属しているノルディックウォーク(スキーのストックのようなものをもってウォーキングするスタイル)のサークルでは、私よりもかなり年上の方が多いのですが、昨年の春に活動自粛の期間があった際に、足腰そのものが弱くなり、体力がなくなったことをより実感してしまったということで、健康維持には運動は必要不可欠な要素と考え、今では十分に感染症対策をしながら、屋外での活動を続けているようです。

「歩く」ということは、それだけで体全体の筋肉のバランスをとりながら体全体を動かすということになるので、正しい歩き方で1時間程度歩くと、心肺機能にも筋力維持にも効果があると言われています。

普段の何気ないお散歩も、歩き方に意識をして普段よりも時間を長めに歩いてみるのもおススメです。

ただし、雪が積もっている地域の皆さんは、足元が不安定となり危ない場合もありますので、無理にお散歩するのは止めた方がいいでしょう。
その場合は屋内や家の中でこまめに動くなど工夫が必要です。

運動ができる地域の方は、体への負担を減らしながら安全に運動ができるように、気温の変動が少ない場所を選んだり、冷え込む時間帯を避け、防寒対策をしながら昼間の穏やかな時間帯に行動したり、運動前の準備運動などをしっかり行うなど、予めよく考えてから行うといいでしょう。
また、冬場であっても運動する際には水分補給が大切です。
夏場のように自覚できるほど汗をかくことが少ないこの時期も、体の中の水分は失われていくので、意識して水分補給をしてください。
そして、最後に運動する際の服装ですが、運動すると体が温まり暑くなることもありますので、脱ぎ着しやすい薄手のもので重ね着をしたり、多機能素材のインナーやスポーツウェアなどを選ぶのもポイントです。

年末年始の体重変化を気にしている方も、運動不足が気になる方も、まずはお散歩習慣から始めてみましょう。

それでは、本日の放送内容です。

「Interest」in bloom~Vol.1~

この冬は、強い冬型の気圧配置により北海道や日本海側の広い範囲を中心に、多くの地域でたくさんの雪が降りました。

雪の多い国といえば、北欧やロシアを思い浮かべる方も多いかと思いますが、実はそんな寒そうな国々以上に、高温多湿と言われる日本のほうが「雪国」だということ、ご存知でしょうか?

今日の「Interest」 In Bloomは、「雪に学ぶ。雪と共に醸す暮らしと文化」と題して、世界も驚く豪雪国、日本の雪と文化についてお送りいたします。


日本は、世界屈指の豪雪地帯

雪とは、空気中の水蒸気が冷やされて氷の結晶となり、溶けずに落ちてくる現象のこと。
水蒸気が多くそれが冷やされ気温が低いと雪が降ります。
ただし、気温が低いと水蒸気が空気に含まれにくくなり、水蒸気が多く気温が低いという気象条件はなかなか成立しません。
北ヨーロッパ西岸や日本海側はこの気象条件が揃う世界的にも珍しい地域です。

日本海側で雪が多く、太平洋側で雪が少ないのは、日本列島の地形と日本海を流れる対馬海流が大きく関係します。

冬の日本には、大陸から北西の季節風が吹きますが、この季節風が日本海の上を通る時に、温かい南の海から日本海に流れる対馬海流によってもたらされるたくさんの水蒸気を吸い込み、この季節風が越後山脈や奥羽山脈にぶつかり、空気が高いところに運ばれ、冷やされた水蒸気が日本海側に雪を降らせます。

一方太平洋側では、季節風が山脈を越えて太平洋側までやってくるころには、水分がない乾いた風になり雲ができずに晴天となります。
東京や静岡は、日本海側との間に標高2000mをこえる山脈が高くそびえている事、日本海からの距離が長い為、雪雲が届きにくい事がその要因です。

冬の日本には、大陸から北西の季節風が吹きますが、この季節風が日本海の上を通る時に、温かい南の海から日本海に流れる対馬海流によってもたらされるたくさんの水蒸気を吸い込み、この季節風が越後山脈や奥羽山脈にぶつかり、空気が高いところに運ばれ、冷やされた水蒸気が日本海側に雪を降らせます。

しかし、場所によっては日本海側と太平洋側を分ける山脈や山地が低いところがあり、例えば、岐阜県と滋賀県との県境に近い関ヶ原や、兵庫県の篠山(ささやま)盆地や広島県の三次(みよし)盆地などの中国山地の盆地があるところでは、雪雲が低い山を乗りこえて、名古屋や広島、高松など太平洋側や瀬戸内海の地域にまで雪を降らせたり、湿った風をさえぎる高い山がない九州でも、雪が降ることがあります。

日本には、豪雪地帯 対策特別措置法という雪が大変に多いという理由で、産業が発展しにくく、住民の生活にも困ることがある地域を支援するための法律があります。
それによって「豪雪地帯」と指定されている地域の面積は、日本の国土の51%。
日本の国土の半分の地域、約2000万人の人々が住む地域が、国から特別の支援を受けています。

また、地球上でもっとも多くの積雪が観測された場所は、滋賀県と岐阜県にまたがる伊吹山(いぶきやま)で、1927年に1182cmという世界最深の積雪が記録されています。
100年近くたった今でも、この記録は破られていません。

降雪地域にこんなに人口の多い都市があるのは世界的にも稀で、地球全体を見渡しても、5大湖の沿岸や、カナダとアメリカの国境あたりの山岳部、あるいはスカンジナビアの西側など豪雪地帯にある都市はいくつかありますが、日本の東北や北海道ほど、その人口は多くはなく、雪国にこれほどたくさんの人が生活している地域は世界的に見てもとても珍しいようです。
例えば、1年に降る雪の量は、100万人を超える大都市では、カナダのモントリオールの積雪が多く、年間平均2メートルを超えますが、日本の札幌市では6メートル超、新潟市では2.5メートル超と、大都市圏に置ける日本の雪が、他の地域を圧倒しています。

日本でも屈指の雪国である新潟県、明治時代の人口は約163万人で、全国1位。
なぜ、これだけ多くの雪が降る世界最大の豪雪地帯にこんなに人が住む町ができ、暮らしができたのでしょうか。

このあと、お話続けます。

「Interest」in bloom~Vol.2~

先ほどは、日本が世界も驚く豪雪国であること、日本の国土の半分の地域、約2000万人の人々が住む地域が豪雪地帯に指定されていることについてお話し致しました。
なぜ、これだけ多くの雪が降る世界最大の豪雪地帯に、こんなに人が住む町ができ、暮らしができたのか、それは、雪とともに暮らす先人たちの知恵がありました。


豪雪地帯に人が多く住んでいる理由

一つは環境による利点。

雪は雨と違い、降水量が多くても洪水のように一気に洗い流すのではなく、徐々に水になってゆっくりと里山や畑に潤いを与え、いわば一種のダムのような役割を担っており、雪解け水は大地で濾過されて流れていき、綺麗で美味しいお水となる事。

例えば、水の確保が重要な棚田では、田植え時期のたん水には雪解け水が必要で、今でも雪不足の年では「田植えができない」「畦が乾燥でひび割れる」などの被害が出て、雪が重要な役割を担っています。
また、雪による保温と紫外線の遮断によって地下でじっくり養分を蓄えることができる芳醇な土のおかげで、ゼンマイなどの山菜や春から秋にかけて収穫される食材の品質が、格段に高い事、雪が溶ける際に発生する水素イオンを利用した漂白効果を利用した越後上布(えちごじょうふ)や越後紙(えちごがみ)など最高級品の麻織物の製作に適していた事が挙げられます。

二つ目は長い冬を越すための貯蔵の利点。

雪国では、昔から野菜などを鮮度を保つために雪の中で貯蔵してきました。
雪中は湿度90%以上、多少の空気があって太陽の光は通さず、気温が零度という状態で保存にとても適した環境です。
一部の野菜は、こうした環境下で糖度を増すことが実証されており、現在ではキャベツやにんじんなどで、雪の下から掘り出して出荷することで付加価値を高めた商品もあります。
また、とうがらしを雪にさらしてまろみを出す上越地方の伝統的調味料「かんずり」も、雪によって付加価値を生み出しているものの一つです。

近年では日本酒なども「雪中貯蔵酒」として高い評価を受けています。

気温が低いことで、微生物のコントロールがしやすく、お酒やお醤油、お味噌など、腐造(ふぞう)被害が少なくて良い品質のものが作れることも挙げられます。

また、豪雪地帯では、冬に雪を集めて夏まで溶けないように貯蔵し、暑い時期に冷蔵用として使ったり、甘い蜜をかけて売られたりしていました。
貯蔵するには大がかりに雪を集めなくてはならず、地域の地主や有力商人が雪室(ゆきむろ)を作っていたようです。
雪を集める仕事は、冬場に仕事のなかった農民のための雇用対策にもなっていました。

他にも、雪かきや雪下ろし、除雪といった雪という共通の困難を乗り越えることで、地域のきずなが強まり、お互い助け合う住みやすいコミュニティが構築されている事も、豪雪地帯に多くの人が住んでいる理由なのかもしれません。

都会暮らしの人々にとっては、たまに見る雪景色は美しく見えますが、雪国の人にとっては、雪は美しいより重いもの。
屋根に積もった雪は1平方メートルあたり150~300kgもの重さがあるといいます。
雪による事故の死者の多くは、除雪中の事故によるものです。
屋根に上って滑って落ちることや、登りかけた梯子が倒れるなど、また、屋根からの落雪で下敷きになって亡くなることもあります。

令和元年度中の雪による人的被害の約9割が、雪下ろし等の除雪中の事故で、雪の多い年には、年間1000件以上の事故が発生し、100人以上が亡くなるなど深刻な被害となっています。
自宅など建物の屋根の雪下ろしや、雪かき等の作業中に発生しており、中でも高齢者の比率が高いことが特徴です。
豪雪地帯は、高齢化が進む過疎地が大部分を占めるため、雪おろし作業の担い手確保は、大きな問題になっています。

こうした人手不足は、地方公共団体そのものによる支援のほか、ボランティアを募ったり、業者に依頼したりする事例も増えてきましたが、数百人のボランティアが集まる一方で、悪質な雪おろし業者による詐欺事件も多発しています。
2004年の新潟県中越地震では、被災地での雪おろしが不可能になり、地震では倒壊に至らなかった家屋が、その後の豪雪に耐えられず、倒壊するケースも見られました。

記録的な大雪に見舞われた上越市の中心部、高田(たかだ)地区では、集中的に除雪を行う必要があるとして、9年ぶりに今月23日から一斉雪下ろしを行うことになりました。
一斉雪下ろしは、住民総出で屋根や雁木(がんぎ)に積もった雪を取り除くもので、上越市では平成24年以来、9年ぶりとなります。
ただ、一斉雪下ろしに向けて関係する46の町内会長を集めた会議では、「危険で来週まで待てない」「1週間以上車を出せない人がたくさんいる。一斉雪下ろしの前に排雪をしてほしい」など切実な意見が相次いでいるようです。

「Interest」in bloom~Vol.3~

皆さんは、利雪(りせつ)という言葉をご存知でしょうか。
利雪とは、降った雪を有効活用することで、農産物など食品の貯蔵や、住宅など建物の冷房としての利用、観光など地域おこしの材料などとして利用することを言います。
札幌市内の除雪費用は1晩で1億2000万円。
まさにどぶに捨てるように毎年、莫大な税金が除雪・排雪に使われています。


克雪、利雪とは

雪と言えば「除雪」や「屋根雪降ろし」と言った生活の自由を奪うもの、厄介物としてのイメージを真っ先に浮かべますが、この雪をなんとか有効に活用しようという試みが全国で行われています。

例えば、雪室(ゆきむろ)と呼ばれる、天然の冷蔵庫での低温貯蔵。
かつては、野菜など鮮度を保つために使われていましたが、電気冷蔵庫の普及により衰退し、現在ではより現代的な新しいシステムの雪室が脚光を浴びています。
これは、「自然対流方式」と呼ばれ、電気を使わず、冬に降った雪を貯蔵しておき、雪によって冷やされた空気を倉庫内に循環させるものです。
室内に貯雪庫を設け、雪の冷気によって食品を冷蔵、貯蔵する「氷室型(ひむろがた)」、倉庫全体を雪で覆い、あらゆる面からの冷気で食品を冷蔵、貯蔵する「雪室型(ゆきむろがた)」に分けられています。
この方法では、米や野菜の質を落とすことなく保存できるだけでなく、 ほどよく熟成させることも、わかっています。
お酒や味噌、しょう油などの醸造品では、熟成が進むことで、いっそうマイルドな味わいになり、お肉の熟成にも、塩を抜いた塩引鮭の冷風乾燥にも使われるようになりました。

北海道美唄市のJAびばいでは、雪を使った低温貯蔵施設「雪蔵工房(ゆきぐらこうぼう)」で、玄米を低温貯蔵しています。
春に雪を貯雪室に蓄え、気温5度・湿度70%の最適な環境で貯蔵することで、1年中新米と変わらない味の米を出荷できます。
しかも、倉庫の維持費は従来の低温倉庫に比べると約半分と経済的で、環境にもやさしくなっています。
設定温度に対してプラスマイナス2~3℃を繰り返す電気冷蔵庫に比べ、温度を常に一定温度に保つことができる雪室は、食品にストレスを与えることなく鮮度を保つことができるそうです。

これと似たような方法として、冬季に降った雪を夏季の冷房に利用する「雪冷房」が、電気やガスに変わる新しいエネルギーとして雪国各地で夏期の冷熱源として注目され、積極的に利用され始めています。
雪冷房システムとは、雪を大量に貯蔵しておいて、雪の「冷たさ(雪氷冷熱)」を利用して空気の熱を奪い、温度を下げるという発想で、1979年に、アメリカで最初に実用化されました。
雪冷房の仕組みには、大別して、貯雪槽内の雪で冷やされた空気を直接部屋に送り込む「全空気循環式」と、雪解け水を冷媒として熱交換器で空気を冷やす「冷水循環式」があります。
全空気循環式は、ホールなど広い空間の冷房に適しており、冷水循環式はマンションなど個別の部屋で空調を利用する場合に適しています。
新潟県上越市の安塚(やすづか)中学校では、体育館を除く1800平方メートルの教室の冷房に、雪冷房システムを導入しました。
雪冷房システム稼動に必要な機器の電力は、体育館の屋根に設置した太陽電池を利用し、雪解け水は、スクールバスの洗車やトイレの洗浄水として無駄なく活用しています。
このような雪冷房システムは、温室効果ガスを排出することがないため、積雪地の建築物において有効な地球温暖化対策としても考えられています。

この他にも、去年8月に、東京2020オリンピックでサッカーの開催会場となる埼玉スタジアム周辺において、さいたま市は、友好都市である南魚沼市と共同で、観戦客の暑さ対策として、手のひらサイズのビニール袋に雪をぎっしり詰めた「スノーパック」の配布など雪を活用した熱中症予防対策実証実験を行っています。
雪はきめが細かいため、氷より溶けにくく、30分~1時間程度冷たさを保つことができ、猛暑の中とあって、評判は上々だったようです。

捨てる雪を、貯めて生かす。
従来は除雪して捨てるしかなかった雪を天の恵みととらえて、有効に活用する。
雪がお金に変わる日は近いのかもしれません。

参考資料

あるがままの雪利用 雪室と雪だるま財団
http://www.mizu.gr.jp/kikanshi/no45/02.html

世界一の「豪雪国」、日本の現実
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20130207/339544/?P=4

「なんで雪国なんて住んでんの?」の質問に鋭く答える基礎知識
https://niigata-repo.com/life/post-8523/

実は世界一の雪国だった?日本人が意外と知らない日本の降雪事情
https://www.honda.co.jp/topics/2020/03-snowfall/

雪国の暮らしと文化 ~雪の利用
https://n-story.jp/topic/18/page2.php

雪に学び・雪を楽しむ
https://www.mlit.go.jp/common/000038331.pdf

世界一の豪雪都市は日本にあるって本当?TOP3を独占!?【日本の不思議】
https://tabizine.jp/2017/10/21/153026/

第97回 冬の雪で夏の涼しさを! −環境にやさしい雪冷房システム−
https://www.jp.tdk.com/tech-mag/knowledge/097

雪室推進プロジェクト
https://yukimuro.jp/project/

雪が多い地域の共通点 – Z会
https://www.zkai.co.jp/wpcontent/uploads/sites/14/2019/09/r670i6000000c5en.pdf

メッセージをお寄せいただいた皆さん、ラジオをお聴き頂いた皆さん、本当にありがとうございました。

番組では、ポッドキャストによる配信をおこなっています。1/18分については、放送終了後に更新いたします。

また、番組では皆様からのメッセージをお待ちしております。「試してみたよ」「作ってみたよ」といった番組で取り上げた内容のご感想、みなさんが感じる幸せのひとときなど、ぜひお聞かせくださいませ。

なお、番組の構成上、時間の都合でリクエスト曲にはお応えできない可能性がございます。ご容赦くださいませ。

それでは、また来週、月曜日15:00にお耳にかかりましょう。

お相手は、倉嶋桃子でした。

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