2020年12月15日(火)
みなさん、こんにちは。倉嶋桃子です。
本格的な冬を感じる日が増えてきた今日この頃ですが、すっかり彩りが少なくなった景色の中で、近所のお庭の一角に、ひと際赤い色の実が目立つ木があることに気がつきました。
それは、南天の木でした。
南天の木は、実家にも植えてあり、お正月の飾り物や、飾るお花の材料、お節料理の色どり用の飾りとして使ったりと、馴染みがある木です。
もともと南天は、「難転」と当て字で表記もできるため、災難や難関を転じるという意味から、昔から縁起の良い植物とされてきました。
また、福寿草と合わせると「難を転じて福となす」という意味になると言われ、さらに縁起が良くなるということから一緒に飾る方も多いそうです。
他にも南天は、花より葉や実の紅葉を楽しむ植物とされ、特に南天の葉は薬用としても利用されいて、効能としては、胃の調子を整えたり、解熱、咳にも効果があるそうです。
のど飴などは有名ですね。
このように縁起がいいという話や、お薬での効能もあるということもあってか、江戸時代頃から、魔除けや火災よけの効果があると信じられていて玄関先によく植えられていたそうです。
こういった木や植物の由来などを知ると、普段目にしているものも見方が変わるように思います。
今年は特に、厄除けや縁起担ぎなど気になる方も多いかと思うので、お正月の時期など飾ってみてはいかがでしょうか?
さて、本日KOCOラジでは、「木桶仕込みのお醤油のお話」をテーマにお届けいたしました。
木桶文化のお話や、木桶職人さんのお話、木桶仕込みのお醤油にまつわる話、そして12月5日・6日に行われました「日本の木桶を守る発酵文化サスティナブルコミュニティ『第3回FUKUSHIMA KIOKE PROJECT』を企画運営されている、株式会社八芳園コーポレート&コンテンツプロデュース事業部サブマネージャー中根さん、プランナー木部さんのインタビュー内容を盛り込んだ内容となりましたが、いかがでしたでしょうか?
今回のイベントは、絶滅の危機にある日本の伝統文化‟木桶”を応援しようと企画された「日本の木桶を守る発酵文化サスティナブルコミュニティ」の第3回目で、「震災から10年の節目となる2021年に、福島で福島の木を使って福島の木桶をつくろう」と活動している‟福島木桶プロジェクト”とタッグを組み、2020年12月5日(土)・6日(日)2020年12月5日(土)・6日(日)、八芳園の新店舗ポップアップ型ショールーム「MuSuBu」にて開催されたものです。
当日はお忙しい中、今回のイベントの企画・運営している、コーポーレート&コンテンツプロデュース事業部 サブマネージャー中根 達也さん(写真右)とプランナー木部 葵さん(写真左)に「木桶文化を守る意味」や「木桶仕込みの醤油について」「今後の木桶文化の展望について」などお話を伺いました。
会場入口すぐに目に入ってくるのは、2020年10月31日福島木桶プロジェクト発足に伴い、初めて福島にて組み上げられた木桶です。
本来木桶は2メートルほどの高さがあるものですが、こちらで飾られている木桶は、そのままの大きさでは建物内に入らないため、実は10センチほど桶の淵の部分をカットしてもらったそうです。
素材はすべて福島県産。
この桶の容積は、20石。約3,600リットル入るそうで、一升瓶に換算すると約2,000本分です。
木桶にしめ縄が飾ってある理由は、神様に無事に出来上がることをお守りいただきたいと願いを込めるという意味や不浄なものが入らないような結界の意味があるようです。
ちなみに、しめ縄を輪にして飾る「輪飾り」は、神様がいるとされている水回りや火を扱うところにかけると良いそうです。
現在、家庭用の木桶も製作する計画があるとのこと。
家庭でつくる「自家製味噌づくりセット」として販売したいと考えているそうです。
お味噌は一年のうちで最も気温が下がる小寒(1/5頃)から節分(2/2頃)の間「寒の内」に仕込むのが良いと言われているので、そのころに販売できたら…というお話でした。
気になる方は、チェックしておくといいかもしれません。
家庭用のものとはいえ、細部にまで隙間なく木が組まれ、滑らかな木桶の状態をみると、ある意味工芸品のようにさえ感じます。
ちなみに、新しい木桶をつくってお酒や、味噌、醤油、お酢を造る場合、前に使っていた桶の状態の良い木片を、新しい桶の中に組み込んで作り、発酵菌を増殖させ、同じ味わいになるように仕込むそうです。
目に見えない発酵菌のパワーはすごいですね。
こちらは、木桶を作るときに使う道具です。
専門の道具があるということは、使う方の専門性も必要ということなんだろうと素人は感じるところです。
木桶を作る人が減っているのと同じように、木桶製作に必要な道具を作ったり、修理してくださる職人さんも減っているということで、廃業した木桶職人さんの元へ行き、道具を譲ってもらうこともあるそうです。
会場に掲げてあったイベントのポスターです。
木桶をイメージしたデザインが、どちらのロゴにも使われていて印象的です。
今回の企画の中にある「木桶で造られた日本酒を味わう試飲ブース」では、福島県郡山市の酒蔵仁井田本家さんの「にいだしぜんしゅ」が用意されていました。
女将さんは当日いらっしゃらないと聞いていたのですが、当日急遽お会いできることとなり、お話したりお写真を一緒に撮らせていただきました。
仁井田本家の女将さんは、KOCOラジでお馴染みの毎週木曜日夜9時からの「二ムク天狗のおんつぁレディオ!」にも度々ゲスト出演されています。
番組内では、お仕事のお話はもちろん、プライベートの事柄などお酒を飲みながらお話するなど、気さくなお人柄が伝わってくる感じです。
地元では知らない人がいない有名な酒蔵ですが、日本酒造りだけでなく、スイーツや雑貨、石鹸など、取扱商品も増え、様々な業界との提携事業などもされているようです。
今後も新たな分野にもチャレンジしたいとのことなので、とても楽しみです。
仁井田本家公式HPアドレス
https://niida1711.shop/
会場では、木桶で造られた醤油3本(タマスズ醤油・根田醤油合名会社・鈴木醤油店)付き 入場チケットを購入すると、八芳園MuSuBuシェフが手掛けたお寿司を、醤油とともに食べることができました。
もちろん、試飲できる仁井田本家のお酒と一緒に。
今回は、熱燗と冷酒とそれぞれで飲み比べもしてみました。
こちらは、味わいを比べる木桶のお醤油三種類。
左側から、福島県白河市にある根田醤油合名会社の「二年もろみ醤油」。
味はまろやかで、香りも芳醇、優しい甘みを感じるお味でした。
中央は、福島県岩瀬郡天栄村にある鈴木醤油店の「平右衛門」。
お醤油だけで味わった時に、すぐに使ってみたいお料理が思い浮かぶ味。
例えば、焼きおにぎり、お煎餅、釜玉うどん、磯辺焼き、など。
シンプルにお醤油だけで美味しいそんなお味でした。
一番右側にあるのが、福島県伊達市にあるタマスズ醤油の「福島県産原料醤油」。
一番味が濃く、香りも奥深い。
調味料として煮込んで使うより、そのままかけたり、つけたりして味わうと美味しいお醤油かと思います。
仁井田本家さんは、自社田と県内、県外の契約農家さんが作付けした無農薬・無化学肥料で有機肥料も使わずに生産した自然栽培米を原料に伝統の「生酛造り(きもとづくり)」で仕込んだお酒造りをしている酒蔵です。
今回試飲したものは、「しぜんしゅ たるざけ」生酛仕込み 酵母無添加(蔵付き酵母)。
ほど良く熟成したしぜんしゅを杉樽で寝かせ、手詰めしてあるものだそうです。
仁井田本家の「にいだしぜんしゅ」をまずは冷酒から…。
ワイングラスに入ってきたこともあって、ワインのような爽やかなのど越しと味わい。
樽の香りをほのかに感じながら、癖がなくまろやかで飲みやすいお味です。
続いては、熱燗で…。
熱い時点では、香り・味が際立つ感じで、冷酒よりは個性が引き立っているようなお味。
冷めていくうちに、最初には感じなかった、まろやかな甘さと麹の味が飲んだ後に感じられる優しい味わいに感じました。
試飲とお醤油とお料理を堪能した後、会場二階へ移動。
二階には、八芳園さんが取り扱う商品が展示されたブース。
これら八芳園さんの公式サイト内オンラインショップより購入できるようです。
奥のテーブル席にて、タマスズ醤油をつかった炊き合わせを試食。
素材の味が引き立つ味付けで、材料も福島県産の里芋が沢山入っていて美味しかったです。
さらに、仁井田本家さんの酒粕アイスに、今回購入したお醤油をかけて食べてみるという体験。
酒粕アイスだけで食べると、お酒の風味はさほど強くなく、滑らかな舌触りと優しい甘みのアイスでした。
そこに、購入したお醤油を色々かけて食べてみたのですが、それぞれのお醤油の特徴が喧嘩することなくアイスと合う感じ。
どのお醤油が一番相性がいいかは、お好みでしょうか…。
一番濃いお味のタマスズ醤油さんの「福島県産原料醤油」をかけると、みたらし団子のような甘じょっぱさが口に広がる感じがしました。
事務所に戻ってからも、様々な食材や料理にかけてみたりしながら、お醤油とのベストマッチを探している途中です。
今回のイベントは、様々なメディアにも取り上げられたそうですが、ラジオ番組では私たちのみだとか…。
そんな中、SAKURA TV さんの取材班と遭遇しました。
仁井田本家さんの女将さんも取材を受けていましたよ。
こちらは、会場内に掲げてあったポスター。
絶滅の危機に瀕している木桶。
その木桶仕込みを続けるメーカーや関係者が、技術を共有して木桶と木桶職人を増やすことを目指し、企業や業界の枠を越えて集まり、毎年1月に小豆島で新桶づくりをするという「木桶職人復活プロジェクト」が紹介されています。
このプロジェクトは、2012年、ヤマロク醤油の五代目 山本康夫氏の呼びかけからスタート。
木桶に関わる食品メーカーや流通業者、大工や料理人などが集まり、技術を広く共有することで、木桶のメンテナンスや組み上げができる人材が全国に増える兆しがみえてきたそうです。
当日は、お忙しい中、株式会社八芳園企画セクションの池田課長様はじめ、スタッフの皆様、取材にご協力いただきまして、本当にありがとうございました。
番組では、放送内容他、ポッドキャストのみ聴くことができる放送内容の予告、放送を振返る放送後記、そして、毎週月曜日に放送しているFMひがしくるめの放送内容など、ポッドキャスト配信をしています。
皆さんのお好きな時間に、お好きな楽しみ方を、ぜひお試しいただければと思います。
放送をお聞きいただいた皆様、メッセージをいただきました皆様、本日もありがとうございました。
番組では、特設サイトのメッセージボード、または、KOCOラジの メッセージフォームにて、皆様からのメッセージ、ご感想をお待ちしております。
次回も、「Blooming Days PLUS-日々是好日-」で、皆様とお耳にかかれることを楽しみにしております。