Blooming Days,December’07|倉嶋桃子|85.4MHz FMひがしくるめ

Blooming Days - 日々是好日 -

Blooming Days,December’07

  • PODCAST

    ※アプリをインストールしてお聞きください。Spotify Freeはずっと無料のプランです。 期間限定でもなければ、登録にクレジットカードも必要ありません。 放送後記
  • facebook

  • Twitter

みなさん、こんにちは。倉嶋桃子です。

12月に入り、肌にあたる風がさらに先週よりも寒く、空気も冷えてきたように感じています。

まさに冬が深まってきているという感じでしょうか…。

こう寒くなってくると、自然と温かいものを食べたくなりますし、無意識に選んで食べるようになってきますね。

特に材料では、冬野菜を沢山使うような鍋料理やスープ料理、煮込み料理などはぴったりのメニューのように思います。

今年は、野菜が育つ時期に天候に恵まれたことに加え、、新型コロナウイルスの影響で外食需要が低迷していることが原因で、野菜の価格が大きく下落しているようです。

消費者から見ると、日常的に購入する野菜が安くなるのはとてもありがたいことですが、販売者側や生産者側は利益が出ないなど頭を悩ませているそうです。

一方で、国産の鶏肉や豚肉は高値で推移しているとのこと。

これは、家庭向けが国産、業務向けが輸入と比較的すみ分けられていることが要因で、外食需要が減っても、国産品価格を押し下げにくいからだそうです。

現在の社会情勢から考えてみても、自宅で食事をする人が多いでしょうから、家庭用の国産お肉の需要はますます高まりそうですね。

お安くなったお野菜をたくさん使った温かいお料理を食べて、元気にこの時期を乗り切っていきましょう。

それでは、本日の放送内容です。

「Interest」in bloom~前半~

今週末12日からは、七十二候が大雪の次項「熊 蟄穴(くま あなに こもる)」となります。

冬に備え、いよいよ熊が「冬眠」のために、自分の穴に隠れる時節を迎えました。

クマやリス、ヘビやカエル、カメ、昆虫などが、寒い冬を越すために行う冬ごもりや冬眠。

今日の「Interest 」in bloomでは、生きものたちは、いったいなんのために冬ごもりをするのか、冬ごもりしている間に、身体はどんな状態になっているのか。

冬眠するメカニズム、その目的を探ってみたいと思います。


冬眠とは

冬眠とは、恒温動物である哺乳類と、鳥類の一部が、活動を停止し、体温を低下させて、食料の少ない冬季間を過ごす生態のこと。

変温性の魚類、両生類、爬虫類、昆虫などの節足動物や、陸生貝(りくせいがい)などの無脊椎動物が冬季に極めて不活発な状態で過ごす「冬越し」のことも指します。

ヘビやカエル、カメ、昆虫など、気温に合わせて体温が変わる変温動物の一部は、土の中にもぐって寒い冬を過ごします。

外気温の低下に伴って体温も下がってしまうため、温度変化の影響を受けにくい地中や、水の底にもぐって、じっとして冬を越すことを「冬越し」または、「越冬」と呼ばれています。

これらの生きものは、体温が0℃以下に下がっても、生き延びることができる「凍結耐性(とうけつたいせい)」という特殊な能力を持っています。

一方、哺乳類など、気温とは関係なく一定の体温を保つ恒温動物の冬ごもりを「冬眠」と呼びます。

世界では、哺乳類18目のうち、7目に属する183種、全哺乳類の5.7%が、冬眠をすることが確認されています。

日本では、陸生(りくせい)哺乳類97種中、32種33%の哺乳動物が冬眠します。

冬眠中は、起きているときに比べて、体温は下がりますが、今のところ哺乳類で、体温が0℃以下になっても耐えられる個体は発見されていません。

他にも魚類にも、水底に集まって、じっと過ごしたり、水底の砂の中にもぐったりするなど、冬眠状態になるものがいます。

クマやリスなどの場合、生息する地域や、その年の気象条件や環境などによっても変わりますが、およそ5ヶ月から7カ月を冬眠して過ごすようです。

特に長く眠る傾向にある哺乳類は、ヤマネ。

中央ヨーロッパに生息しているオオヤマネの場合、11カ月も眠り続けた記録があるそうです。

ただ、冬眠する生きものたちが、みんなずっと眠っているかというと、そうではありません。

リスなどの小動物の場合は1~2週間に一度くらい、20時間以内の短い覚醒状態になるサイクルを繰り返しています。

冬眠場所に、食料を貯蔵しておく「貯食型(ちょしょくがた)」のシマリスなどは、ときおり目覚めて食事をし、排せつも行ないます。

ただし、クマだけは、他の生き物と異なる点が多いため、そもそもこれを冬眠と呼ぶのか長年議論されてきました。

クマは、体温を4度から6度ほどだけ下げ、途中で覚醒することはなく、ほとんど眠り続け、冬眠中にも関わらず出産し、授乳も行ないます。

夏から秋にかけて、冬眠に備えてたくさん食べて、体脂肪をたっぷりと蓄える「脂肪蓄積型(しぼうちょせきがた)」なので、冬眠中は摂食も、排せつも一切せずに過ごします。

その秘密は、クマの体だけに備わった特別な「リサイクル機能」にあるようです。

毛皮の下に蓄えた脂肪は、完全に分解されると、水と二酸化炭素になり、何ヶ月間も水を飲まなくても体内水分バランスが完全に保たれる仕組みになっています。

また、尿は、膀胱壁からアンモニアや尿素を吸収して再度血中に戻し、アミノ酸生産に再度利用されます。

このようなクマの冬眠ですが、人間にも応用できるのではと、多くの研究者が取り組み、肥満・糖尿病・心臓血管疾患・骨粗鬆症・筋肉萎縮・腎臓病・胆石などの治療につながるとされ、すでに一部は実用化されています。

また、人間の体を「冬眠状態」にすることで 不老長寿が可能になる?とも期待されています。

一曲お届けした後、後半は、今期待を集めている人間の冬眠についてお送り致します。

参考資料

冬眠
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%AC%E7%9C%A0

単に眠っている訳じゃない。冬眠ってどんな状態なの?
https://biome.co.jp/biome_blog_049/

第六十二候「熊蟄穴 (くまあなにこもる)」 12/12~12/15頃
https://www.kurashi-no-hotorisya.jp/blog/4seasons-things/72seasonal-signs/sign62.html

冬ごもりする生きものたちの不思議-冬眠中はずっと寝ているの? お腹はすかないの?
http://acorn.okamura.co.jp/topics/column/2019/02/19/toumin/

「Interest」in bloom~後半~

前半は、クマやリス、ヘビやカエル、カメ、昆虫などが、寒い冬を越すために行う、冬ごもりや冬眠についてお話いたしましたが、ここからは「今、期待を集めている人間の冬眠の研究」についておはなし続けます。


今、期待を集めている人間の冬眠の研究

前半でお話したとおり、クマは、一切飲まず食わずのまま、春まで4カ月ほど穴の中で眠り続け、冬眠中はひたすら眠りながらカロリー消費を制御しています。

クマの冬眠を成り立たせるメカニズムには、病気の治療や予防への応用が期待されており、人間に応用できないかと現在も研究が進んでいます。

例えば、宇宙旅行。

今日の推進技術では、火星への往復に2年半の時間がかかりますが、それに伴い宇宙飛行士用に大量の食料や空気や水、医療用品も必要となります。

クマのように人間を冬眠状態へ誘導できれば、地球を後にした人間がずっと眠り続けることで、ロケットに積載する物資の大幅な削減や、宇宙飛行士の体の負担も軽減することができます。

また、ケガや病気で寝たきりの状態の時も、冬眠状態であればエネルギーの損失を防ぎ、体力の消耗を抑えることができます。

クマの生態の研究で得られた成果が、さまざまな形で、人間の生活にフィードバックされています。

現在のところ、人間は冬眠できないと言われていますが、極低温状態での生存例も報告されています。

日本では2006年10月7日に兵庫県神戸市の六甲山で男性が崖から墜落し、骨折のため歩行不能となり、10月31日に仮死状態で発見されて救助される事故がありましたが、遭難から2日後の10月9日には意識を失い、発見されるまでの23日間、食べ物だけでなく水すら飲んでいなかったそうです。

発見時には体温が約22℃という極度の低体温症で、ほとんどの臓器が機能停止状態でしたが、後遺症を残さずに回復しました。

他にも、スウェーデン北部ウーメオ近くの林道で、雪に埋もれた車の中に食料なしで約2カ月間いたという男性(45)が救出されたという事例もあります。

男性は、スノーモービルで近くを通りかかった人に発見され、救助隊に救出されましたが、発見されるまでの約2ヶ月間ずっと車の中におり、後部座席で寝袋に入り雪を食べて過ごしていたそうです。発見時は衰弱していましたが、後遺症を残さず回復したそうです。

報道は、男性が31度前後の低体温の冬眠状態になり、体力を消耗せず生存できたのではないかとの医師の見方を伝えています。

他にも興味深い話として、18世紀初頭のロシアの貧農は冬の6ヶ月間、1日の大半を家族全員で暖炉の近くで寝て過ごしていたとのこと。

日に1度だけ起きて、秋のうちに焼いておいた保存用のパンをひと口、水で流し込む生活で、長い冬の大半を寝て過ごす習慣は、ロシアでは『ロツカ』と呼ばれ、記憶に残らないくらい古くからあったともいわれます。

近隣のモンゴルや中央アジアにもこの習慣があったようです。

また、フランスのアルプス地方の農民も、冬は寝て過ごすのが一般的でした。

この地方では1年を「5ヶ月の地獄と7ヶ月の冬」と呼び、5ヶ月の過酷な労働の季節が終わると、冬の7ヶ月間は家畜と一緒に寝起きして暖をとり、食べる量を減らして貯蓄食糧を長持ちさせ、なんとか春がくるまで生き延びようとしたといいます。

こういう習慣は近代までごくあたりまえだったらしく、ヨーロッパの田園地帯では「秋の終わりから春が来るまでの間は、戸外に人の気配がなかった」という記録もあるそうです。

「食べ物がないから寝て過ごす」ことを「冬眠」と一緒にするのはどうかと思われるかもしれませんが、冬眠中にも何度か目覚めて食べ物を摂るリスなどの小動物と ロシアやアルプスの人たちがしていたことは、かなり近いようにも感じられます。

近いうちに人間も冬眠する時代が来るかもしれませんね。

個人的な考えとしては、1年のうち1ヶ月くらいなら冬眠してもいいかなと思います。

参考資料

人間は冬眠ができるのか?
https://logmi.jp/business/articles/226089

冬眠しても筋肉が衰えないクマ その秘密がヒトの医療に使えるかもしれない
https://globe.asahi.com/article/12976832

なんと人間も家族で冬眠していました! 七十二候「霜始降(しもはじめてふる)」
https://dot.asahi.com/tenkijp/suppl/2015102600049.html?page=1

食料なしで雪中2カ月の男性救出 スウェーデン、冬眠状態か
https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1902A_Z10C12A2CR8000

メッセージをお寄せいただいた皆さん、ラジオをお聴き頂いた皆さん、本当にありがとうございました。

番組では、ポッドキャストによる配信をおこなっています。12/7分については、放送終了後に更新いたします。

また、番組では皆様からのメッセージをお待ちしております。「試してみたよ」「作ってみたよ」といった番組で取り上げた内容のご感想、みなさんが感じる幸せのひとときなど、ぜひお聞かせくださいませ。

なお、番組の構成上、時間の都合でリクエスト曲にはお応えできない可能性がございます。ご容赦くださいませ。

それでは、また来週、月曜日15:00にお耳にかかりましょう。

お相手は、倉嶋桃子でした。