2020年9月21日(月)
みなさん、こんにちは。倉嶋桃子です。
暑さ寒さも彼岸までとは言ったもので、気温が少し落ち着いたように感じます。
この時期は、二十四節気七十二候の暦の話でいうと、「玄鳥去(つばめさる)」といって、春先にやってきたツバメが帰り始める頃と言われます。
以前、番組でも「渡り鳥」の話を取り上げたことがありましたが、ツバメはあの小さな体で自然界の様々な様子を本能的に感じながら、生活圏を変えたり、渡りを行ったりしていて、この季節の移り変わりとともに、次は暖かい南の地域へ旅立ちます。
この旅立ちの決め手は、日照時間の長さ。
日が落ちるのが早くなる変化を感知してスタート時期を決めているようです。
また、旅立つ時のお天気は、意外にも曇りの日か小雨の日。
雲に隠れるように、陽が落ちるのを待って、大きく旋回しながら高く舞い上がり、移動するそうです。
なぜ、そのようなお天気の比較的悪い日で、夜に旅立ちをするかというと、外敵に狙われることがないように、という理由だとか。
今年は、人間界にとって、春から夏と異例づくしの過ごし方となりましたが、ツバメたちは本能のままに、置かれた環境・自然の中で、たくましく生活しているんだなぁといなくなったツバメの巣を見ながら考えました。
来年の春、またツバメたちが見られる日を楽しみに、この時期の曇りの空の上を想像して見上げてみるのはいかがでしょうか?
それでは、本日の放送内容です。
本日のBlooming Days-日々是好日-は、敬老の日にちなんで「老人のトリセツ」と題して、「お年寄りとの接し方がわからない」という若い人に向けて「老人との正しい接し方」について、倉嶋桃子とディレクター小出とでお届けいたします。
核家族化が進んだことも影響があるのかもしれませんが、「お年寄りとの接し方がわからない」という若い人が増えているという話を聞きまして、今日は敬老の日ということで、老害とも言われる「最近の気難しい老人」の方への正しい接し方について、それぞれの症例ごとに対処法を考えてみたいと思います。
そもそも、何歳からが老人かってご存知ですか?
これ、一般的には、老人福祉法、国民年金法の対象者を目安にして、65歳以上を「老人」と呼んでいるそうですよ。
ただですね、高齢化社会が進んで平均寿命もグーンとのびた今の時代にね、この年齢以上の人たちを一概に「老人」「お年寄り」とするには無理があるということで、あまり「老人」という言葉は使わないようですね。「老人」や「お年寄り」と言われることを心外に思ったり不快感を抱いたりする人が大勢いるんでしょうね、老人クラブとか老人会、老人ホームという老人がつく名称のものには拒否反応を示す方が多いようですよ。
最近では、シニアとか言ったりしますが、国連では「シニア」のことを60歳以上、WHO(世界保険機構)では65歳以上と定めているので、こちらも明確な定義があるわけではなさそうです。
ちなみに、先週の放送後記でもお話した初老の定義ですけど、調べてみると「老人の域にはいりかけた年ごろ」という意味で、古くは40歳のことを言ったそうです。
学問の神様「菅原道真」さんが初老という言葉を用いた句が残っているくらいですから、古くから使われていたんでしょう。
ただ、こちらも寿命が伸びた現代にはそぐわないということで、最近の辞書には50-60才前後を指す言葉として書かれているそうです。
ちなみに、2018年の内閣府の調査では、日本の総人口1億2,644万人に対して 65歳以上の人口は、3,558万人。 総人口に占める65歳以上の人口の割合(高齢化率)は28.1%だそうです。ただこれが、令和47(2065)年には、約2.6人に1人が65歳以上、約3.9人に1人が75歳以上となるので、街中老人だらけになっちゃうんでしょうね。
厚生労働省の「年金財政検証」などの各種の統計においても、日本人の将来的な平均寿命はおおよそ90歳に達すると予測しているようですから、老人とかシニアとか高齢者の定義はこれから変わるかもしれませんね。
さて、先ほどは「老人とは」ということで、定義的なことを説明いたしましたが、ここで具体的な一般的に「老人」とか「お年寄り」と言われている人が、どのような態度・行動をとる傾向があるのかっということを、まとめてある資料をみつけましたので、その中からご紹介したいと思います。
たとえば、お年寄りは、「頑固で自分の非を認めない気難しい人」とイメージされがちですが、もちろん全員がそういう訳ではありません。
老年期(65歳以上の人)の生き方や社会への適応は、個人の性格と深い関係があると考えられているんですね。
わかりやすく言うと、人間というのは高齢になるほど個性が極端に出てくるということでしょうか。
これを体系化したものにレイチャードの5類型というものがあります。高齢者には、5つの人格特性があるということですね。
1つめが、円熟型 – 過去を後悔することもなく未来に対しても希望をもつタイプ。老いによってできなくなることも、それはそれとして、新しい現実の中で満足を得られるので、スマホのような新しい技術も、面白がって使えるようになります。
2つめが、依存型 – 現実を受け入れるタイプ。物質的、情緒的な支えを与えてくれる人に頼る傾向があります。
後は皆にまかせて、自分はのんびりという具合に、他人に依存しながら「気楽な隠居」であることを求めます。
安楽に暮らすことを求めるので、生活不活性病にならないように、活動的な物事への取り組みをうながす必要があります。
3つめが.自己防衛型 – 若い時の活動水準を維持しようとするタイプ。
老いへの不安と恐怖から、トレーニングなどを積極的に行い、強い防衛的態度をとります。
本人の「まだまだ、現役だ」という自尊心を傷つけることなく、無理はしすぎないように注意する必要があります。
4つめが、憤慨型 -自分の過去のみならず、老化そのものも受け入れることができないタイプ。
過去を失敗とみなし、その原因を自分ではなく、環境や他者のせいとして責任転嫁する。不平や不満が多く、周囲に対しても攻撃的にあたり散らすため、トラブルを起こします。高齢者として他者から親切をされても、それをポジティブに受け入れられないので、周囲としては、どこまで献身的に対応しても感謝されることもないため、サポートすること自体が非常に困難です。
5つめが、自責型 – 過去の人生全体を失敗とみなし、その原因が自分にあると考え、愚痴と後悔を繰り返すタイプ。
典型的には、仕事に一生懸命だった反面、家族をかえりみず、現在は家族から相手にされない状況にあることを嘆くような高齢者。うつ病になりやすい。
新しい技術にも適応しようとしない。いつまでも過去にとらわれることなく、反省すべきは反省しつつも、なんとか新しい関係性などを築いていく必要があります。
1.聞かれてもいないのに「本当かウソかわからないような自慢話」をする
2.大して面白くもない話を何度もする
3.やたらと教え諭そうとする
4.自分の非を認めず、都合が悪くなると屁理屈を言ったり大声で怒鳴ったりする
5.自分の理解できないものを否定する
私たちそれぞれの体験談をもとに、お話しいたしましたが、まだまだ模索中というところも多く、どれが最も適しているということがわからないので、今後はそういったことが分かり次第、どこかで発表・報告できたらなぁと思っています。
※なお、これらの内容は、放送中に倉嶋とディレクター小出と経験談をもとにお話しをしていますので、ぜひポッドキャストからお聴きください。
高齢者 – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E9%BD%A2%E8%80%85
高齢化の状況|令和元年版高齢社会白書(概要版)- 内閣府
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2019/html/gaiyou/s1_1.html
高齢者の性格タイプ5分類;あなたの親は、適応型と不適応型のどちら?(ライチャード)
https://kaigolab.com/column/2088
老害とは?特徴35個と原因・対処方法・エピソード!心理・思考・マナー
https://spicomi.net/media/articles/1548
本日の放送は、16:00からのスーパーミュージックワイドと連動してお送りしました。
いただきましたメッセージのご紹介はこちらでおこなっています。
今日もお聴きいただきありがとうございました。
番組では、ポッドキャストによる配信をおこなっています。9/21分については、放送終了後に更新いたします。
また、番組では皆様からのメッセージをお待ちしております。「試してみたよ」「作ってみたよ」といった番組で取り上げた内容のご感想、みなさんが感じる幸せのひとときなど、ぜひお聞かせくださいませ。
それから、番組の構成上、時間の都合でリクエスト曲にはお応えできない可能性がございます。ご容赦くださいませ。
それでは、また来週、月曜日15:00にお耳にかかりましょう。
お相手は、倉嶋桃子でした。